【日雇い派遣の原則禁止提言】でもっとマスコミに伝えて欲しい事
先日「貧困、格差社会に最低賃金問題「下向きの平準化」でいいの?」というエントリーを書かせてもらいました。
そして、昨日28日夕方のニュースでは日雇い派遣の原則禁止を提言を取り上げるチャンネルが多数あったようです。
20歳から43歳まで正社員として働いた事がない生活をしてきた立場で考えてみたのですが、この原則禁止って単純労働分野については以前のような規制を設けるというような話になるのか現時点では提言の段階なのでまだ最終的にどういう形になるのか非常に気になります。
私自身もアマチュアバンド生活とかをしていた時期がありますから、ビアホールのカウンターとかの仕事や結婚式場でのPAミキサーとしての仕事、日本料理屋さんの調理補助などお決まりのパターンで経験していたりします(苦笑)
学生時代は特にそうですが、夏休み期間にちょっと働きたいとか、自分の目的があり、やはり正社員としての働きを求められても困るという就業事情はあると思いますから、一律日雇い派遣の禁止という動きになってもこれまた困る人が出てくることになるでしょう。
また、一部報道では手数料についての透明化や手数料の引き下げなどについて報道しているメディアもあるようです。
ピンハネとか、手数料が40%にのぼる会社も、、、という単語だけみるとネガティブな印象に傾きがちだと思いますが、会社を経営して、事業の立ち上げやら、営業経費、事業を維持・管理していくための諸費用を回収しながら利益を上げていくという立場で考えた場合に、低い手数料で経営が成り立つためにはやはり1案件の単価が大きいか、規模を大きく扱えることが前提となり、単価が安い仕事については派遣会社が儲からないから手を出さない、、、ってことになって、一律禁止では学生さんとかのアルバイト探しとかは面倒になるのでは?とか思いながらニュースを眺めていました。
あくまで私見ですが、秋葉原の事件をうけこの日雇い労働についての話題が大きく取り上げられていると考えています。ここから派生した非正規労働に関する大手マスコミの流れの中で気になるのは、
さも、稼げるような給与金額を広告には明示しておいて、そこに書いてあったような稼ぎを得られる人は凄く稀とか、実際には寮費やら装備費とかなにやらの諸費用などを差し引いたときに手元に残る金額はわずか、、、というようなビジネスモデルもしくは、類似するような「貧困ビジネス」を展開している会社について一般に周知できるような報道をすべきではないか?
また、このようなワーキングプアを生み出すようなビジネスモデルが問題になっているにも関わらず、グローバル化や経済状況への生き残り対応策としてもっと規制緩和が必要だという論陣を張り、もっと劣悪な状態を引き起こしそうな規制緩和を求めている日本を代表する超有名企業に対してマスコミの突っ込み甘くないか?と感じています。
それと、欧米諸国において前述の日本を代表する超有名企業が非正規労働者に提供している待遇と母国において提供している同様の労働者への待遇が乖離しているらしいという点についても大手マスコミには取材を敢行していただき、もっと多くの情報を提供してもらいたいものです。
ネットを見てみると、1985年労働者派遣法は、労働者派遣制度を日本に導入した点で致命的とも言える重大な欠陥を雇用社会にもたらすものという指摘や、欧米諸国で導入されている労働者派遣制度とは比較しようもない、企業側に都合の良いものとの指摘が散見されます。
正社員としての雇用が求職者の数と比較して絶対的に不足しているのかどうか統計的なデータを持ち合わせていませんが、前後の見境なく安易に離職してしまった事から始まるようなケースに対してもすべて労働者保護を適用していたらこれまた制度が持たなくなる可能性もあります。給与金額が提示されたものと相違があったというのは問題外ですが、低賃金を批判するまえに働く側も一定の思慮を働かせるなり、ある程度の計画性を持つ事や適切な自己防衛が必要不可欠と思います。
13年間のフリーランス生活と10年間の零細会社の経営、ここでは何より変えがたい自由を得られていますが、この生活は自分だけでなく、仕事で知り合った人たち、親、家族の支えや、現在会社で一緒に頑張ってくれているスタッフの協力があり、そして運に恵まれていた部分も多分にあると考えています。
社会的、精神的自由を得ることは気楽なようで非常にタフであることを求められる時もあります。ましてや20歳から65歳までの45年間を会社に属さずに食べて行こうと思ったら、人生山あり谷ありで、仕事のない時は当たり前のように訪れます。
非正規としてしか仕事がなかったというケースには当てはまりませんが、自分から正社員としての仕事を離れる事を考えている方には、自分の能力を過信せずに、周りからの協力が得られるか、調子が出ない時期を持ちこたえることが出来る余力(蓄え)があるかなど総合的に勘案して次のステップを踏んでいただきたいと思います。