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企業向けCMS導入事案でいつも解説すること その1

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「CMSを導入したい」ここ数年でウチの会社にもいろいろなご相談をいただき、一般向けブログツールを活用して安価に構築できた事案、エンタープライズ向けのソフトウエアを導入した事案などもろもろあるのですが、そもそも「CMS」という単語について各人それぞれの思いが違うようで、せっかくオルタナティブブログで書く事が出来るようになった事もありますし、わたしが仕事上でエンタープライズ向けのCMSとして企業担当者の方に説明する内容とよくある質問にどう答えているかを、にここにまとめておきたいと思います。

■自社更新がしたい。

コーポレートサイトにおいてテンプレートを利用すべきページはどの位の割合で存在しているでしょうか?多種多様な情報を様々な見せ方で展開する必要のある企業サイトにおいて全てを自社更新するという目的はそもそも無理があると思われますので、外部制作会社と広報、営業など複数の関係者が共同作業を行えることでのメリットにも注目してみてください。

■CMSというのはテンプレートを使うと聞くが、逆にレイアウトに縛られてしまうのではないか?

上記の答えにもあるように、全てのページをテンプレート化する必要はありませんのでご安心ください。

■費用は?(なんでそんなに高い?)

ワークフロー対応などある程度の規模感でCMS導入を考えた場合、アプリケーションの導入コストだけで、Movable Type Enterprise ライセンス:126万、WebRelease 2 Enterprise Edition ライセンス:315万円(ページ数制限500ページ以内であれば、WebRelease 2 Workgroup Edition ライセンス:52万5000円を利用可能)が必要ですし、

この上のクラスになってくるとライセンスとインプリ含め千万単位は当たり前ですので、自社更新可能な環境に移行することで今までかかっていた外注コストを下げたいという理由だけでエンタープライズ向けのCMS導入が実現することはまず無いのではと考えます。(クライアント企業の担当者の方の立場で考えた場合、サイト更新の効率化というキーワードだけで社内説得が成功するとは思えないということになります)

ひとつの断面ですが、これまでにページ更新に携わっていた人間の時間をすべてコスト計算可能なシステムを導入していていれば、ある程度の数値化は可能なはずですが、、、逆にこれまでCMS導入以前の、グローバルサイト、グループ関連会社および地方支店サイトのIT戦略、ブランド戦略上の管理・運営の一元管理を実現し、なおかつ履歴管理機能によるドキュメント管理が可能な環境を手に入れることが可能なシステム導入として考えた場合に、必要経費として自社のコンテンツ規模がマッチするのかどうか?という考え方のほうが適切な答えが導きだせるのではと考えます。

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ここでわたしが考えるエンタープライズ向けのCMSとはどういう物かを示しておきます。

コンテンツ管理をワークフローに従い、ワンソースマルチユースを含む、コラボレーション作業により、適切なタイミングで情報の公開・更新・公開完了作業を履歴管理を含め継続的なサイト運用を可能にするツール。

↑このような物がいろいろブログツールなどをCMS的な観点でサイト構築してきた中で必要と思われる(コストを掛けてでも実現したほうが最終的なメリットがあると思われる)CMSの中身です。

それでは上記に出てくるキーワードをすこし具体的に解説してみたいと思います。

※ワークフローの適用

内容確認をシステム画面上で行いながら差戻しできるなどの機能を求めるお客様が圧倒的です。エンタープライズ向けの利用方法としてはグループ関連会社や地方支店サイトなど全社的なホームページ運用に関するワークフローを適用することが可能となります。

※ワンソースマルチユース

地方支店サイトに本社公開情報を逐次掲載するようなアグリゲーション的な活用から、画像素材やAの商品には、この該当テキストを使用するというような場合にも力を発揮します。これは大規模eコマースサイトでの商品情報の流用、本社プレスリリースと製品キャンペーンサイトでの基本情報の流用などのケースで威力を発揮します。

ただし、ホームページの情報はページ自体をアーカイブ化するほうが適切なもの、適時削除を行うほうが良いページなど同一サイト内でもページ属性が違う場合がありますので、、テキスト、画像のマルチユースについてはサイト運用ルールを事前に複数のシナリオで想定することが重要です。

※コラボレーション

デザイン・コーディング作業はクリエイティブ会社に任せコンテンツサーバに接続させ、素材管理についてもCMSで行うことが可能です。クライアント企業側では原稿作成および社内承認を済ませ、公開作業を行うような流れが一般的です。

1頁に含まれる要素として、広報が管理・承認する箇所、HP制作会社がデザイン・コーディングを行いクライアント側web管理チームが確認・承認する箇所、該当事業部署が記事内容について記事作成・校正・確認する箇所などがあると想定した場合、これら一連の作業を関係各担当がコンテンツサーバにそれぞれアクセスをして共同作業を行うことで、ホームページ制作会社に変更箇所が発生した場合すべてメール・電話・FAXなどで連絡を取りながらページ制作を行っていた時よりも効率化が図れます。

※適切なタイミングでの情報公開・即時更新・公開終了

公開日時指定や期間限定コンテンツの管理を機械的に処理することでミス低減が可能になり、テキスト内容の更新の必要性が発生した場合の即時対応も可能です。

システム管理のメリットとしてはコンテンツアグリゲーションのほかにも、ナビゲーション部分のメニュー文言の変更や追加に伴う関連ページの更新などが自動的に行われるなどこれまで人間の手作業ではどうしてもミスが発生しがちだった部分の自動処理が可能になります。

※履歴管理

簡単に更新可能になる反面、以前の公開データに戻すもしくは状態を確認しなければいけない事態が発生した場合に、履歴を管理(バージョン管理)することができファイル単位、サイト単位での履歴を残す事ができ、更新箇所の比較、ロールバックすることも可能。

CMSという物について1台のサーバで稼動するイメージで担当が考えているのか?、コンテンツサーバと公開用のサーバを別で行うのかというところの認識が違うだけで見積要請されても結局無駄な時間を使うケースが今まで沢山ありましたので、こちらを読んでいただいてどのくらいのグレードでCMS導入を行いたいかを見積打診先に示してみることをオススメします。

この辺の費用感は簡易要求仕様書の「できるだけ予算規模を明記することをオススメします」というあたりとリンクしています。

更新時期は未定ですが、今後もCMSに関しての記事は追加していく予定です。

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