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Uマチックでマスタリングしていた時代もありました

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この10年~5年ほどの時間経過の中で確かにCDやDVDの注文をいただくお客様の客層は非常に広がったと思います。

CDの制作において国内プレスと海外プレスを使い分けること自体は結構前からサービスとして提供されていますが、ここ10年で私の会社にも台湾や中国の資本の入ったプレス&コピー会社から協業依頼が非常に多くなっている点を考えても、これらの国で日本からの仕事がかなり増加しているという事の現われなのでしょうね。

価格面が優先というお客様の場合には、音質や品質面においてもそれほど問題になるケースも少ないので、納期的な制約が少ないお客様であればやはり今は海外プレスを選択されるケースが多いですが、インターネットの普及により製造コストが検索すると簡単に判るため、客層が増えたけれども、残念ながら設備を持たない制作会社などが仲介、制作代行のような位置付けでプレス(コピー)の仕事を増やすことは非常に難しくなっていると思います。

フラット化という観点ですと、マスタリング作業自体がUマチックでマスタリングしていた時代もあり、この辺の時代は機材面でマスタリングスタジオを利用しなければ無理という時代から、PCを使ってレッドブック準拠の工場入稿用のプリマスター制作が可能なった時がフラット化の原点と言えるのではないかと推測します。

そして現在ではCDRをマスターとして持ち込まれるケースも多くなってきてマスタリングの仕事自体がユーザでも可能になってしまい、この辺が業者にとってのコモディティ化をもろに食らった状態と言えるのでしょうね。(余談ですがDTMの進化やProToolsというハードディスクレコーディングソフトの進化も音楽制作におけるフラット化を推進したと言えます)

ただ音楽は「音」を扱うだけに、自分の好きなアーティストと同じ系列へプレス依頼を出したいというお客様がいたり(こういうい方は自分が好きなミュージシャンと全て同じにしてみたい、、、という欲求をお持ちのようです)、いろいろな会社を利用して「S社とP社ではちょっと音の感じが違わないか?」みたいな事を聞いてくる非常にマニアックなお客様もいらっしゃいます。

フラット化やプレス&コピーという観点からはすこしずれてしまいますが、音楽をMP3の登場やiPodのようなオーディオプレーヤーの登場で"CD以下"の音質で聞く環境が圧倒的大多数になりつつも、PS3でSACDを楽しめたり、音声再生時、圧縮前のマスターサウンドと100%同じ信号に復元する可逆圧縮方式のドルビー TrueHD、DTS-HD マスターオーディオに対応したブルーレイ・ディスク・プレーヤーが登場するなど、音質面での選択肢も広がっていますので、これから自分の作った音楽をCD化していこうという方々には、どういう組み合わせが自分が一番望む音が形になるのかをいろいろな設備や委託先を使って試してみるのも音楽制作においてのひとつの楽しみ方ではないかと考えます。

P.S.
前述の国内工場でのプレスでもS社とP社では音に違いを感じる、、、という件については残念ながら自分で試すまでには至っていませんが、こちらのページにも興味深い内容が記載されています。

http://www7.ocn.ne.jp/~telomere/CUE.SHEET.html

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