なぜIT資産の管理を行うのか
皆様の組織はITの管理をしていますか?ITの管理といってもセキュリティからライセンス管理、IT資産管理などジャンルは様々ですが、何かしら管理は行われていると思います。では、皆様が個人で保有するITの管理はしていますか?セキュリティの一環でウイルス対策ソフトを入れているとは思いますが、自分が保有しているPCやスマホに管理番号を付けて管理している人はまずいないと思います。
極論を言ってしまえば、ウイルス対策ソフトを入れなくてもPC・サーバーは動きます。逆にウイルス対策ソフトを入れることで不具合が生じることもあります。また、組織が保有するIT資産を把握していなくてもシステムは動きます。それどころかIT資産の管理を行うためには人やコストが必要になります。さらに、IT資産の管理を行うことで新規の顧客が獲得できたり売り上げが自動的に倍増するわけでもありません。
では、なぜそこまでしてIT資産の管理を行う必要があるのでしょうか。私は「何もない現状を維持するため」と考えます。何もない現状とは、ユーザーが何も気にせず普段どおりITを使える状態を維持すること。それはITを使って日々の活動を行い、組織に属する全ての人が組織に貢献できる状態にすること。
人はITを使うことで遠くの人とリアルタイムにコミュニケーションが出来たり、複雑な処理を高速で行うことが出来たり、必要な情報をすぐに取り出せるようになります。その反面、現在の業務はITを使うことを前提としているためITが利用できなくなると業務が止まってしまいます。
また、ITは道具であるがゆえに自分で善悪を判断することは出来ないため、使う人によりITを悪用することも可能となります。結果、ITに関連する問題はいつどこで生じるか予測することが難しく、一度問題が生じると組織に膨大な被害を及ぼすこともあります。
人によりITの管理をしても利益を生まないのに何で管理をする必要があるのか?という人がいますが、ITの管理で利益を生み出そうとするのではなく、想定外の問題を引き起こさないためにもITの管理を行う必要があるのだというように考えることが重要になります。