初めてネットで買ったものって覚えてます?
またたわいも無い話ですみません。
今、このブログをこうやって見ていただくことができる方は、当然、インターネットを利用されている方、ということになる訳で。じゃあ、インターネットを利用されている方の中で、インターネットで物を買う、ということを全くしたことが無い、という方はもうだいぶ少ないんじゃないかな、と自分は勝手に思ってます。
もちろん、取り扱われる商品のジャンルによる、とは思いますけど。また、○○というサイトばかりです、と売り場が固定している方も居られれば、そんなの関係なく、気になったものがあればどこからでも買うという方も居られると思いますけど。
で、改めてお伺いすると、初めてネットで物を買ったのっていつだったか?とか皆さん覚えてらっしゃいます?いや、自分自身が覚えてるからだけなんですが、みんなどんなタイミングで何を買って、また、それが何故ネットで買うことにしたのか、という動機付けって少し興味があって問い掛けてみる次第です。ここで言うネット、とはインターネットにしましょうか。パソコン通信も含んだりすると、昔からシェアウェアとか買ってたよ、とか個人売買で、という方も多いんだと思いますが。
自分は1998年の12月。丁度インターネットを始めて2年ぐらい経った頃でした。ECサイトだなんだ、って話が話題になり始める頃だったでしょうか。いや、もう先鋭的なサイトはあったのかな。前後関係は覚えてませんが、インターネットで物が買える、というのは知り始めていたものの、先に「物が届かなかったらどうしよう」とか「支払いどうしよう、先に振り込むとかめんどくさい」とか思ってました。
そんな自分が初めてネットで物を買おう、としたのは、ふと行った検索の結果が理由でした。
当時、自分が特によく使っていたシンセサイザーに、KORG社の「T1」というものと「01/W FD」というものがありまして。T1は1989年頃、01/W FDは1991年頃の発売だったかな。両者共に、オールインワンシンセサイザー(←もはや死語かもしれませんが)ということで、音作りと曲作りのできるシーケンサー機能が内蔵されているということで、それらのデータをフロッピーディスクに保存しておける、という機能がありました。
※今時のシンセサイザーはUSBジャックやらSDスロットやら付いており、物によっては、USB接続したらシンセサイザー自身が外部ストレージとして認識されて・・・なんてこのフロッピーでやりとりしてたのはなんだったんだ!というぐらいの進化になっておりますが・・・。
話を元に戻すと、T1はフロッピーは2HD仕様、01/W FDは2DD仕様、というそれぞれ異なる規格のフロッピーディスクを利用する、というだけでなく、そもそもデータを扱う規格や、シーケンサー機能で作成した楽曲データにも全く互換性が無かったんです・・・。
というようなシンセサイザーを、1998年当時でもまだ使っている、というのは、それこそパソコンもかなり低廉化してきて、コンピューターで打ち込み、作曲をする人がかなり増えてきていたであろうに、かなり少数派だったのでは、と思います。いや、本当は居たのかもしれません。今のようにmixiやFacebookやtwitterもなく、気楽な感じで遠くの人と集えるようなサイトはありませんでした。
話があちらこちらに行っておりますが、そんな発売してから約10年近くにもなろうシンセサイザーを相変わらず利用している中で、このフロッピーディスクだけでデータを管理するようなこと、止められないかな、とずっと思ってて。それこそハードディスクとかに引き上げられるようになったらどれだけ良いことか、と思ってました。それは自分がパソコンとか手に入れられるようになった1993年頃から。だって、フロッピーディスクだけで管理するのは、データの保全性とかからも安全じゃないような気がするし、かといって、データがいっぱいになったフロッピーを何枚も何枚も家に置いておくのも、邪魔な気がずっとしていたのです。
T1のフロッピーの規格は、コルグの独自DOSらしく、当たり前ですが、MS-DOSやMacのパソコンに入れても一切読めません。01/W FDはまたさらにT1とは異なる独自DOSのモードとMS-DOSで利用できるモードがありますが、MS-DOSで利用できるモードでは、スタンダードMIDIファイルとしての楽曲データのみが記録できます。
ここでアセンブラとかわかる人なら、自分でその独自DOSとかを解析して変換プログラムとか作っちゃう、という方も居られるのでしょうが、自分にはそんな知識もなく。ただただ、誰かそんなの作ってくれないかなぁ、と、たまにVectorを見て探す程度でした。
そんな中、infoseekなる、ロボットクローリングによる検索サイトがあることを知ります。もう既に運用はずっと前から開始されていたんでしょうけどね。なにぶん対象となるサイトが多いことから、検索しても、自分の興味の範疇外のものがヒットすることもありましたが、まずは引っ掛けてくれる、という機能があることが重要だったので、そこを多用するようになりました。
で、ある日、なんて検索ワードを入れたのかはさすがに忘れましたが、何の気なしに、前述のKORGのシンセサイザーのディスクをパソコンで読み出しできる変換ソフトってやっぱ無いのかなぁ?、と検索したら、出てきたのがこの会社のサイトでした。
自分は英語は得意な方ではありませんが、どうやら色んなメーカーのシンセサイザーの独自フォーマットのDOSを、変換してスタンダードMIDIファイルにコンバートすることができたり、データをバックアップすることができるようなソフトを出している、リーディングメーカーですと!
・・・リーディングメーカー・・・聞いたこと無いけど。でも、その商品群の中には、コルグの、そして、まさに自分が欲しい、と思っていたT1や01/W FDのディスクを扱えるソフトも出しているですと!
・・・これじゃ無いか、前から欲しいと思ってたのは。さすが世界には、こんなニーズを叶えてくれる人が居るんだ。きっと全世界を見れば、俺だけじゃないんだよ、こんなものが欲しいと思ってるのは、と勝手に合点して嬉しくなったものです。
しかし、何せその当時の自分はネットで物を買ったことがありません。まして相手はアメリカの会社、正直実在するのかしないのかもよくわかりません。英語も不得意です。(現在は用意されているようですが)その会社のオンラインショップもなく、オーダーはeメールで受け付ける、となっているのみです。送金の仕方もわかりません。海外に友達もいません。
でも、ここに頼めば、今までずっと、こんなものが無いかな?と思っていたものが手に入るかもしれない・・・。
つたない英語でメールしてみました。欲しいんです、そちらから大阪のこの住所に送ってもらいたいんだけど、送料含めて価格教えて、あとカード払いとかはないの?とか。
しばらくして返事が来ました。
送料含めていくらいくら、カード払いは構わないけど、カード番号教えてくれたらOKですよ、と。
今の時代でも、カード番号教えちゃいけない、メールで送っちゃいけない、とかずっと言われてますけど、その当時でも結構自分にはハードルの高い返事が送られてきました。
でも、(よく調べて無かっただけかもしれないけど)paypalとかもよくわかんね、と思ってた自分からすれば、それしか送金の方法が無い。
確か、ソフト代(T1用と01/W FD用の2本)と送料含めて日本円で約1万2千円ぐらいだったと思います。思い切って「えいやーっ!」とカード番号含めて送ってみることにしました。送信ボタンを押すのに相当躊躇した覚えがあります。これでこの会社実在しなかったらどうしよう、とか他に悪用されたらどうしよう、とか。
結果として、そんなに日数の掛からなかった(ような気がする)日に、海外からの送付物、そう、このソフトが無事うちに送られてきたのです。
で、ソフトを実際起動してみました。MS-DOSのDOSプロンプトで入れて、とか、USと打って英語モードに切り替えて、とかある程度の癖はあるものの、きちんとデータの読み出しができたのです。すげぇーっ!って感動しました。
これ以降は、ネットでの購入にあまり抵抗がなくなって、便利に使ってます。
自分の場合は、「そこにしかない」「でも物理的な距離は縮められない(そこに行くことはできない)」というのが、まずネットで物を買うことになった動機だった、というお話でした。
で、皆さんはどうでしたか?
オチの無いお話ですみません。
追記:
で、そこまでの気持ちでもって手に入れたそのソフトなんですが、その手に入れられたことで満足してしまい、あんまり使ってはいないんですけど(苦笑)←なんじゃ、そりゃ。