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「東京」と「大阪」で違いを感じること(3)~コピーで良いライブ

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先週のエントリーでライブの告知をさせていただいた。

当日、バタバタしていたので、結果として、自分のエントリーでご来場いただいた方が居られたのかどうかをライブハウスのスタッフの方にご確認することもできなかった。

もし、おいでいただいた方が居られてらっしゃったら、ここで改めて御礼を言いたい、と思います。

「この度は誠にありがとうございました。また何かの機会がありましたら是非よろしくお願い申し上げます。」

さて、当日にエントリーをしてライブの告知をさせていただいたものの、本来ならば、もっと早い時点でライブの告知をさせていただいた方が、もっと皆さんに浸透させることができたかもしれない、とは理解していた。何より、今回、急遽手伝いでやることになったボニーピンクのコピーバンド以外にも、実は、8月に、別のコピーバンドでライブを行っており、そちらは、一応、曲がりなりにも1月頃から準備をしていたものだったので、是非見ていただきたい、という意味ではそちらもご案内すべき、というかご案内したかったところである。

正直言うと、ライブハウスでコピーバンドのライブを演る、っていうことに「著作権的に大丈夫なのか?」ということに自信が持てなかったのでご案内できなかったのだ。

2007年12月の今現在、状況は全く異なっているかもしれないが、自分がバンド活動をメインに行っていた、1990年代前半は、大阪でコピーでOKなライブハウスは皆無だった、という記憶がある。

まずそもそもコピーはダメ、その上でデモテープ審査を受け、ライブハウスのブッキング担当に気に入ってもらったら、どっかの対バン枠に入れてもらう。その上でチケットノルマがあり、それをどうさばくか?ということを検討しなくてはいけない。

とはいえ、やはり皆”知っている曲”を演りたい、という人も多く、何より人が知っている曲を演らずしてどうやってお客さんを呼ぶことができるの?という人が多かった。本来は逆の見方をすれば、プロが4,000円とか5,000円とかでコンサートを演る中、素人バンドで、所詮コピーで、どんな実力かもわからないバンドに対して、1,000円とか2,000円などというライブハウスのチケット代を払うことができるのだ?という点に関して冷静に考えるべきなのだが。

結果として、コピーバンドを演るのであれば、本来のライブハウスのブッキングではなく、自分達でライブハウスや公的機関のホール等を有償で借り切り、もっぱら内輪のお客さんを対象としたイベントとするか、どこか民間、もしくは公的なイベントへの参加、という形で演奏するしかなかったように思う。
イベントへの参加なら、チケットノルマは無く(そもそもお客さんは無料で見れる形が主)、自分達がイベントとしてやるのなら、一応形上価格は定めるものの、実質有料で来てくれるお客さんなど無く、全く持ち出しで行うことになるのが常だった。細かいことを言えば、公的機関のホール等を借り切る場合には、501円以上の定価設定をすることにより、地方税がかかってくる、というケースもあり、なおのこと、有料で行うことなどできなかった。

社会人になってから、長らくの間、バンド活動は封印していて(それによりすっかり演奏技術も(元々大したこと無かった上に)退化してしまったが)、1999年頃から、かつての仲間から誘いがあったりしてポツポツやるようになった。でも、メンバー的に皆社会人のため、特にプロ志向、という訳でもなく、「まぁ自分達が楽しめればいいんじゃないの?」というのがまず第一のため、なおのこと、別にコピーとかオリジナルとかいうこだわりがなく活動してきた。

東京に来てだいぶ経ってから、自分もまぁ心の余裕、というか、せっかく今までと違う世界に来たので、今までの知り合いのつて、ばかりではないバンド活動をしてみても良いかな、と思い、mixi上にてふととあるコミュニティで書き込みをしたのが昨年の夏頃。その書き込みをしたのも忘れたぐらいの昨年の今頃に、その書き込みを見てくれた方から誘いを受けてとある人のコピーバンドを演ることになった。

色々話してみると、その方はまた更にとある別の人のコピーバンドを長年やっている、という。この時点でも「コピーバンドなんて、どっかで演ることができる所なんてあるのかな?」とか「そのライブハウスは、著作権的にOKなのか?」という感じであった。

でも、多いんですよね、東京のライブハウスで、「オリジナル・コピー不問」という所。それは、そういった人達と出会ってから、改めて色んな所のライブハウスの出演条件を調べることをして初めて知った。

で、脈絡も無く話は飛んで、先週のライブの話になる。

正直、外観から見たライブハウスの作り、としては、「大丈夫なの?ここ」という感じで、それこそ個人がゲリラ的にテキトーにやっているんじゃないの?と(自分だけだとは思うが)勝手に思ってしまうような節があった。

行った最初に、そのライブハウスの人が、バンドのリーダーに対して、「じゃあ、この紙に曲名のリストを書いてください」と渡した紙があり、横からその紙を覗き込むと、JASRACのロゴが大きく書いてある。他のバンドにも同じ紙が渡され、まぁ言えば、そのフォーマットの白紙もたくさん用意してあった。ああ、なんだ。ちゃんと著作権料払うような対応できているんだ。意外にきっちりした所なんだな、と感じた。大変失礼な話だが。
(実際聞いた訳では無いので、本当の手続き状況は知らないが。でも、まぁそういうことをきちんとしているから、フォーマットがあるのだろう、と判断した)

コピーバンドを許容して、きちんと著作権料を払うライブハウスが存在する。2007年12月の現在、大阪のライブハウスの状況をきちんと把握できている訳ではないので何とも言えないが、ライブをやろうとする人口と、ライブをやろうとする人を対象とするライブハウスの数の比率がやはり圧倒的に大阪より高いから、東京ではコピーもOKになっているのでは無いだろうか。

プロを目指す人、コピーで自分達の存在感を出したい、と思う人、年をとっても永遠のシュミとしてバンド活動を続けたい人、日常の生活に対して気分転換のためにバンド活動をしている人、バンドを続けるきっかけは人それぞれだが、その多様性が存在するのが、やはり居住人口と労働人口の多い東京であり、それを受け入れられる器、として、多くのライブハウスが様々な事業形態で存在し得るのが東京なのかな、と改めて感じた。

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