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だったら「冷凍赤福」を販売してくれれば良かったのに・・・。

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「赤福」が揺れている。「白い恋人」に続いてお前もか!と率直に思う。

ニュースのダイジェストで社長の会見を見た。

「謹製=作った実際の日、という認識はなく、解凍工程も含めて製造の一環であり、出荷日という認識だった」

といった旨の発言だったと記憶している。

ある意味そういう認識の仕方は供給者側の論理としては”あり”かもしれない。

でも、
・「赤福」が生菓子であることを売り物にし、また、その生であるが故に一両日中にお召し上がりください(だったと思う)、という注意書きであたかも作ってすぐに食べなくてはいけないことをアピールしていたこと
とは明らかに”感覚の違う”ものだし、
・(今後の事実解明を待たなくてはいけないが)一旦出荷したものを冷凍し再度出荷するケースもあった
との話が事実であれば、認識は詭弁でしかあり得ない。

という「赤福」の企業としての糾弾は世論に任せるので、ちょっと観点の違う話。

東京に来てからこそあまり「赤福」にはお目にかからなくなったが、
大阪に住んでいた時分は結構メジャーな生菓子であった「赤福」。
自分も結構好きでした。

父親が出張やらゴルフやらで三重の方に行ったらたいていお土産は「赤福」だったような覚えがある。

結構好きな反面、(一応、家族で分けるんだけど)自分の場合、一気に「赤福」の一個、というか割れてないので一かたまり、というか、それを6個も7個も食べるより、2、3個食べて、またちょっと塩辛いものを食べたい、とか、もしくは何日か経ってまた食べる、ということができれば、と思っていたが、「生ものなので早く食べてください」に阻まれていた。

今回の話を会社でネタにしたら、名古屋出身の人が言っていた。その人はちょっと重要な会議の準備でここんとこメディアに触れておらず「赤福プロブレム」を知らなかったようで、驚いた反面、

「ええー!もうしばらく買えないの?・・・そうなんだ。今在庫である「赤福」はどうするんだろう。だったら初めから「冷凍赤福」を売ってくれたら良かったのに・・・」

そうなのだ。皆が残念に思ったりしているのはあたかも製造したばかりのイメージである生菓子を一旦冷凍工程に通した後適宜解凍して販売していることを堂々としていないから引っ掛かるのであって、冷凍されている「赤福」なんか食べたくない、という訳では無いのではないか?、と思ったりするのである。

家庭用の冷蔵庫についてある冷凍庫と異なり、業務用の冷凍システムの性能はもの凄く良い、というのを随分前の「ワールドビジネスサテライト」で見たことがある。そこでは冷凍技術と共に、解凍技術の話もやっており、要はセントラルキッチン方式でケーキを冷凍し、店舗では数十秒で解凍ができて店頭に並べることができるので、作り過ぎ、欠品の両方共に対応できる、ということだった、と思う。

「赤福」の場合、老舗のプライド、もしくは本当に”できたて”で販売している「赤福」との商品の差別化をどう図って良いか、をクリアできなかっただけなのかもしれないが、「赤福」と「冷凍赤福」を堂々と二枚看板と定め、「赤福」は店舗販売、「冷凍赤福」は通信販売すれば良かったのでは無いのか?そうすれば、(既に30年も前から18%は冷凍分だったというが)その分をカバーできる販路としても活かせたのではないか?と素人ながら単純に思う。実は同じ工程で作られていた、としても、「うーん、やっぱり通常の「赤福」と「冷凍赤福」では若干風味が違いますね!」と勝手に差別化してくれる評論家も居るだろうし、何より、三重の本店で食べる「赤福」が良い、という人も居れば、遠くで「あの味を食べたい」と時に思う自分みたいな人も居るわけだから・・・。

一方、家庭用の冷凍設備と業務用での冷凍設備では全く機能が違うことを承知で書けば、「赤福」が残った時の保存方法、として、業務用の冷凍設備がやっていることを何か家庭用の材料で簡易代用するソリューションが説明書等に「こういう冷凍の仕方をすれば多少風味は落ちますが、一週間ぐらいは大丈夫です」と提供できていれば、普通の「赤福」の楽しみ方もまた広げられたりしたのでは?ないか、とまた素人ながら思う。

「赤福」の今後に期待したいと思う。その前にケジメはきっちりつけた上で。

※ちなみに妹尾は社長が辞めること=ケジメとは決して思いません。何をどうしてこうなってしまったのか、自分達の何が悪くてこうなってしまった、と理解しているのか、信頼を回復するために次はどうしていこう、と思っているのか、をはっきりと提示できることがケジメ、と思っています。

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