BPMSは何に役立つのか?・・・従来と違うアプローチ。
10月11日の小生のBlogで「IT業界はどんなシステムを理想としてユーザに提供するか?」を書きました。そこでは、ユーザ(経営者・実業務責任者)の要求を真正面から捉えようと書きました。ユーザはITシステムを活用して「企業の存続と成長」を推進したいのです。
さあ大変です、その様なITシステムを構築するのに、従来からのウオータフォール型の開発方式では色々な問題が出ます。①開発に時間がかかりすぎる。②ユーザ要求の変更に追随できない。③どう改善したら良いかが見えない。結果大赤字の難珍プロジェクトとなってしまうのです。そうなると決まって、反省会議、槍玉にあがるのはプロジェクト管理の手法・顧客との仕様の詰めの甘さ云々です。そして又難珍プロジェクトの繰り返しではないでしょうか。
従来の固定した基幹業務システムは従来からの開発方法で良いのでしょうが、経営・実業務責任者ユーザが求めているこれからの新しいITシステムは、情シスユーザが求めている従来からのITシステムとは違うのです。何が違うかといえばIT化する対象が違うのです。実業務の中で、ITにできるところはITシステムにさせ、できないところ(人間が判断するところ、即ちそれが、人間の価値です)は人間がやるのです。人と人(Human-to-Human:H2H)の業務プロセスとはこの事で、それが対象なのです。このプロセスは実業務そのものですから諸状況で変更する必要が出てきます。変更する事は改善ですので善です。IT技術者がの常識では変更は悪なのですが。どこをどう改善するかが大切ですから、それが解る仕組み(PDCAサイクル)を最初から入れておくと便利です。でもこれを毎回手組でコーディングしていたら大変です。それから実業務をモデル化する可視化ツールが有ると便利ですし、それをIT技術とは無関係の現場の実務者が理解できれば、或いは使えれば大いに結構というものです。それを実現するのがBPMS(BPM System)というわけです。
BPMSは、H2Hの業務プロセスをITシステムとして構築する時の実行Platformです。①実業務のモデル化・可視化をITの専門家でない実業務責任者を中心に行い、②それをベースに短期間にシステムを構築し、③業務のPDCAを行う、ということです。③は別の見方をすれば、今後どの様になるか不確かな将来に向け、変更が必要となった時、問題なく変更できるという安心感でもあるわけです。
新しいアプローチには躊躇しがちですが、その心地よさは相当なものです。今までのシステム構築の呪縛からの開放といっては言いすぎでしょうか。