IT-Japanで各社社長の講演を聞いて
日経BP社主催で、ITエグゼクティブセミナ 「IT-Japan ビジネス拡大に舵を切る」に参加した。三日間で、IT関連大企業の二十数名の社長の勢揃いである。 小生は、一日半の参加で、都合十二名の方々の話を聞いた。 興味深い傾向を感じたので紹介する。
①各社各様・・・3年前の同じセミナで、当時の社長7,8名の話を思い出す。事業変革を訴えるグループとERP・WEB・ユビキュタスを言うグループに二分されていた。国内大手ITベンダは、異口同音に後者を訴えていた。
ところが、今年は違った。国内大手ITベンダの言うことが各社各様、多様であった。ITシステム産業界に自戒のメッセージも幾つか有った。3K産業と揶揄され、バラ色のイメージが描けないこのITシステム産業界故に、各社試行錯誤、色々な多様なメッセージとなっているのだろう。救いは、一部の企業の攻めのメッセージであった。
②業務・プロセスと人が大切・・・人の大切さは常に言われる事だが、IT関連企業のトップ(ほぼ半数)が自社の事業展開で「人が大切」と言ったことは有ったであろうか。Collaborationという言葉も数名が使われた。「人とプロセスとITが大切!」は、富士通・黒川社長のキーメッセージである。人と人がコラボレイトして業務を遂行する、そこにITシステムが関わり業務プロセスの改善・改革をしていく、であろうか。
③世界の視点・・・海外経験の有無の差なのだろうか、世界の視点の有無がはっきり別れた。将来は解らない、ただしITが大きな位置を占めることは十分に確かなこと、ならば世界の視点で戦略を練らなければ、と思う。東芝・西田社長の「新しい市場で、先頭に位置し、ルールを作って行く」のメッセージは、世界視点が必須である。
■講演者リスト
・ヤマトホールディング 取締役社長 瀬戸 薫 氏
・NTTデータ 代表取締役社長 山下 徹 氏
・シスコシステムズ 代表取締役社長 黒澤 保樹 氏
・キヤノン電子 代表取締役社長 酒巻 久 氏
・NEC 代表取締役 執行役員社長 矢野 薫 氏
・東芝 取締役 代表執行役社長 西田 厚聰 氏
・パーク24 代表取締役社長 西川 光一 氏
・富士通 代表取締役社長 黒川 博昭 氏
・アクセンチュア 代表取締役社長 程 近智 氏
・沖電気工業 代表取締役社長 篠塚 勝正 氏
・野村総合研究所 代表取締役社長 藤沼 彰久 氏
・東京大学ものづくり経営研究センタ 特任研究員 吉川 良三 氏
■日経BP社による講演概要
http://itpro.nikkeibp.co.jp/members/bn/bnsearch.jsp?OFFSET=0&MAXCNT=15&BID=5708
来年も、参加しよう。 ここ1,2年この定点観測が面白い。