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現役アーティストの目線でこれからの音楽のあり方を考察していきます。社会の様々な課題に対するアイデアを、音楽が持つ可能性と強引にこじつけてコミットします。

6つのレシピでチェック!次世代アーティスト完全武装マニュアル

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 僕が言う次世代とは、ざっくり25歳以上の音楽活動を続けているアーティストのことを指します。

単に若い世代のことではなく、「新たな音楽活動の形を形成する世代」という観点で。

才能や運が人並み外れているアーティストならば、その年齢までにデビューもしくはそれに準じた段階にあるはずですよね。オーディションの対象年齢の境目もこのあたりが多いですし。

 25歳以上というのは、既にそういった経験をしているか、あきらめずに活動を続けている段階にあり、目先のオイシイ話に左右されず、長くコンスタントに実績を積んでいく活動にシフトする時期でもあります。

 でもなかなか割り切れずにモヤモヤしたり、コンスタントな活動をする精神的・肉体的体力が続かない・・・。 

 では次世代アーティストはどうしたら効率的に活動していけるのでしょうか?

もう定番だけど、これから始めるのにおススメな最低限のツールもあわせて紹介します。

■情報発信ツールの見直し 

 まず大前提として、自分たちの才能を預け、それをお金に変えてくれる機関が、事務所やレーベルや出版社です。

25~30代前半というのは、社会人として働く同級生が出世をしたりして、社会の中核を担う世代になっていきます。

すると気付くのが、音楽業界を形成しているのは、それを生業とする会社と、部署を数年単位でローテーションしたりするサラリーマンであることに変わりはないということ。給料をもらいながら日々の業務としてアーティストに関わる諸業務をしているんです。当然ですが。

良くも悪くも業務に特化した仕事をしてくれる集団と考えるべきで、もちろんビジネスなのでアーティストの理想や夢と同じベクトルで物事が進むとは限りません。

そういう機会に巡り合わない、または意にそぐわない場合は独立して活動するわけです。

 そこで大事なのがセルフブランディング。特に情報発信ツールの有効活用です。独立していても、実績を積んだ結果メジャーと契約することもありますから、どちらにしても必須です。

 みなさんはSNS、HP、BLOGの使い分けをしっかりできていますか?

他の職種の方にも通じるので、ぜひ見直してみてください。

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HP:信頼を得るための情報母体。

BLOG:コメント付きの実績ログ媒体。

SNS:リアルタイム交流ツール。パーソナルな部分、キャラを見せる。

 

ちなみに「SNSやらない主義」「更新が滞っちゃって」という人には、こちらのブログ記事がオススメです。

SNSは気が付くと大きく差がついているから恐い 

■出演する 

 最近、アーティストのステージ離れが進んでいると言われています。

言わずもがな費用面の問題が大きいのですが、最近はgetstageのようなマッチングサービスを活用することで、質のいいクライアントとステージを見つけることができます。

また、人に評価される機会は成長の肥やしです。定期的にコンテストやコンペに応募してみることで新たな発見もあるでしょう。

 気軽に演奏をするには、オープンマイクという手もあります。プロ・アマの垣根がなく、横つながりもできるので腕試しに最適だと思います。

せっかくやるからにはビデオ撮影して、歌はもちろん、トーク、振る舞い含めてしっかりチェックするといいと思います。 

・getstage

www.getstage.com/

・オープンマイクスケジュール

openmicschedule-tokyo.blogspot.com/

・ウマミタス主催オープンマイク「彩りモノクローム」

udagawa.wix.com/umamitas#!iromono/c1iei

■宅録する

  あるIT系の開発者と話していたとき、自力で録音できないアーティストがいることに驚かれました。「この時代に?」「3万くらいで最低限の物は揃うんでしょ?」「パソコンあるのに?」と。ちょうどモノづくりの話題だったので、「僕らの業界だったら仕事を放棄してるのと同じですよ。」と半ば呆れて言っていました。

 レコーディングにも何段階かありますが、初期のラフスケッチ的なもので良ければ、簡易な機材で自宅でできるんですね。

以前のエントリーでマルチスキルを持つ必要性に軽く触れましたがこの初期の作業が自分でできないとそれだけで人件費がかかってきます。

 また、アーティストのパフォーマンスはライブで培われますが、歌や演奏のスキルはレコーディングで磨かれます。ボイトレ等の基礎練習と、自分の作品に命を吹き込む作業は全く別物なので、録音慣れはスキル向上にも非常に重要です。

 その上で、自分を美味しく料理してくれる存在(ディレクターなど)がいると、広がりや奥行きが出ます。このディレクターは、幅広く音楽に精通していて、アーティストの生態を知り尽くした人でなければならないので、ここはケチらないことをおススメします。

 ということでここでのツールはGarageBand、通称ガレバン一択。Apple製DTM作曲ソフトとして、Appleのパソコンにデフォルトで入っている無料ソフトです。歌や楽器ができる人なら、生音を録音して簡単なリズムトラックを重ねれば、即音源化できます。

 「Appleじゃないから他ので・・・」という声にも、「MacBook Air買ってこい!カッコイイし!」と答えることにしています。オーディオインターフェースとコンデンサーマイクを忘れずに。ケーブルもね。

・GarageBand → Logic

■流通させる

 CDを販売店に流通させるには、ISBN、JANといったバーコードを取得して印刷または貼り付ける必要があります。最近はCDプレス業者がバーコード発行から流通まで代行してくれるケースが増えているので、ここがプレス業者選びの基準にもなります。ただし、国内はほとんどダイキサウンドに委託しており、流通を委託するともちろん売上から手数料が引かれます。ショップからも引かれます。(この割合は過去記事参照。)

 最近ではStores.jpやBASEなどの自分のショップを無料で開設できるサービスもあり、手数料も良心的なのでそれを使う手もあります。僕はURLの自然さでStores.jp推しです。

 それでも有名なCDショップで置くことにステータスを感じるのであれば流通業者や、フライヤー、ポップ、ポスター持参でショップに直接行きましょう。視聴機に入れてもらえたらマージン以上の売り上げが期待できそうですね。

 配信なら世界では標準となっているtunecore。まだ知らない方はこれ使うと2日後に世界中に配信ができるのでチェックです。有名な配信サイトぜーんぶ網羅されている上に、分配率も誠実なのでこれ一択です。カラオケもありましたが、売上げとしてのメリットがうーん・・・。 

・tunecore

www.tunecore.co.jp/

・Stores.jp

https://stores.jp/

・ウマミタスのStores.jp使用例

https://umamitasu.stores.jp/

・「カラオケの鉄人」×「ダイキサウンド」

http://hybridnetworks.jp/wp-content/uploads/2013/06/0bcf898468cf03b0c75e5f2053b37049.pdf

 

■プロモーションする

  格安でインディーズアーティストが大型ビジョンを使えるインディーズラボというサービスは、今後ますますニーズがありそうです。5万円で渋谷・有楽町・原宿のアノ大型ビジョンに1か月間映像を流せるという、謎の太っ腹企画。キチンとしたWEBサイトが無いので怪しいのですが、パス・コミュニケーションというしっかりした企業がやられていて、実績多数とウラはとれてますので、ガンガン応募してみてください。

 より安価なところだと、FacebookやYoutube広告がありますが、使ってみると海外の人からの反応が大きかったので、目線を海外に向けるというのもいいかもしれません。

 ただ、購買やイベント集客に直結するかというと、これだけでは無理だと思います。ここが一番難しい所ですが、あくまでも着実な活動とマーケティングの上で効果が得られるものだと思います。

 ・インディーズラボ

http://ameblo.jp/indieslabo/entry-11393902439.html

 ・Facebook広告

http://www.hivelocity.co.jp/blog/7319

 ・Youtube広告

https://www.youtube.com/yt/advertise/ja/

 

■情報収集する

 IT企業で新規事業開発をしている時、調べ物をする過程で、凄まじい速さで世の中が移り変わっていることを知りました。思いついて、リサーチして、企画を固めてプレゼンしようと思った2日後の朝、ニュージーランドのスタートアップが同様のサービスをローンチして2億円の資金調達を完了した、とか。

 また、あるアメリカ人に「日本人は音楽を仕事にしたいと言う割に、勉強が足りない。日本の音楽文化が景気が良すぎて、夢見てる。」とも言われました。

 という話からすると拍子抜けかもしれませんが、情報収集と勉強って大切ねって話です。

 まず音楽と相性が良いカルチャーはファッションです。と言っても、アーティストにとっては衣装や宣材など、セルフブランディングの武器でもあるので日々チェックしていると思います。ここではあえてSNS的な要素も持つアプリWEARを挙げておきます。女子は特にトレンド感があるなーと思って見ています。

 もうひとつ、今最も音楽と相性のいいカルチャーはITです。ジェイ・コウガミ氏のブログは業界人御用達で、海外誌からの情報も最速で載せてくれているので、乗り遅れないようにチェックしたいところです。音楽ITブログは他にも沢山ありますが、ここから掘り下げていけばたどり着くので一択にします。

 ・all degital music

jaykogami.com/

・WEAR

wear.jp/

 

■まとめ 

 いかがだったでしょうか?まだ制作過程や動画作成など、足りないセクターがありますよね。でも、それがはっきりすることで、僕らが求めるパートナー像が見えてきます。

 逆に言うと、アーティストが個人レベルでできないこと=ビジネスチャンスだとしたら、読者の皆さんはどういうことを思いつくでしょうか?

 僕が常々思っている問題として、今は分かりづらいじゃないですか、音楽業界の仕組み。応援してくださるリスナーや仕事をくださるクライアントに、もっとアーティストの生態や音楽業界の仕組みを知って頂けたら、お仕事としての音楽の価値も分かりやすく、絡みやすくなるのかなと思うんです。異分野と繋がるためのコネクターというかポートを設ける作業というか、そういうのが必要なんですよね。

 たとえばギャラの話や収益分配の話、その費用対効果など書くことで、「それくらいなら、じゃあウチで呼んでみよう。」となるのであれば、双方にとっていいじゃないですか。そういうことはドンドン書いていこうと思っています。

 音楽文化は発信側と受け手双方で作るものだと思っているので、どこまで明け透けにするかは別として、音楽という職業を身近な物として感じてもらい、アーティストの価値を世間一般に広く知ってもらいたいと思っています。

ぜひ、沢山のご意見を頂き、一緒に成長していきたいです。

 

 本日もこじつけ失礼しました。ではでは。

 最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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+  宇田川ガリバー哲男 
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