阿里巴巴(アリババ)その3(その投資家たち)
今ときめく中国最大のBtoBサイトの阿里巴巴(アリババ)であるが、1999年の創業当時は何の変哲もない普通のBtoBサイトに過ぎなかった。当時のBtoCのWebサイトが無料だったのを見習って初めは無料でサービスを提供したのが功を奏して、数ヶ月内に会員数は数万人まで上昇した。会員数が増えると、もちろんビジネスとしては成功への道をすすんでいることになるが、当然サーバーの拡張、新たな人員採用が必要になり、創業資金の50万元(=800万円程度)ではすぐに行き詰ってしまう。
しかし時代は阿里巴巴(アリババ)に味方していた。我々はみなネットビジネスの成功のためには、運とタイミングが限りなく重要、ということを知っている。SNSのアイデアを10年前に思いついて、SNSビジネスを起業しても、多分成功はしなかっただろう。ユーザーも洗練されていないし、インフラも整っていない。タイミングがとにかく大事なのである。繰り返しになるが、そういう意味では阿里巴巴(アリババ)は恵まれていた。まもなく阿里巴巴(アリババ)は米国のネット系雑誌で紹介されて、世界中の投資家たちの知るところとなるのである。
世界最大のマーケットポテンシャルを持つ中国において、会員数が急上昇しているBtoBサイトがあるというニュースが世界に伝わったおかげで、世界中のベンチャー投資家が早速阿里巴巴(アリババ)に接触を開始した。ほどなく、ゴールドマンサックスやスウェーデンのInveStarなどの複数の投資家が500万の投資を行った。もちろん人民元ではなく、米国ドルである。50万元ではじめた会社がいきなり500万米国ドルの資本を手にすることになったのである。
翌2000年にはさらなる巨大な資金が阿里巴巴(アリババ)に注入される。この年、馬雲は孫正義に会った。噂では、孫正義は彼と6分間話をして投資を決めたそうである。その投資額は2,000万米国ドル。今の為替レートだと24億円という大金である。孫正義は何に惚れて2,000万米国ドルもの大金を阿里巴巴(アリババ)に出資することを決めたのだろうか?
以下、続く!