十人十色
人間とは所詮「個性」の塊だと思っている。
十人十色
その「個性」をどれだけ大事にしてあげ、そして仕事に活かしてあげるかが、管理者の使命でもある。管理者の一般的定義とは異なるとは思うが、少なくとも自分はそう信じている。
だから、人材サービスもたちあげた。
使われる側からすれば、大抵において(自分を)使ってくれる人を選ぶことは極めて難しい。
使う側は選べない相手を気遣う姿勢が重要である。
そして使われる側も、使ってくれる相手への献身的姿勢の表現は大事である。
よくコミュニケーション・トラブルが起きるときの原因はこれらのどちらかが大きく欠けたときであり、仕事として成功に終われなかったときの原因の多くは、その欠けた状態が長期続いてしまったときである。
上司(ここでは自分が仕える相手の総称として言葉を定義します)を選べないのなら、選んでくれた上司にも感謝、選んだ相手が仕えてくれることにも感謝、なのです。
「仕事に就きたい」という、探しているモードにある人には、能力の欠如や短所の考察なんかのはるか前に、「仕事に就けていない」不運や不遇の方が、まず大きく存在しており、ほんのわずかなチャンスがタイミングよくつかめずに、その状態に陥っていることも多い。そういう状態の人が圧倒的に世の中多いであろう。
そのような人の就業機会を獲得し、「できる限り」適材適所になるように提供することが大事である。それがアカウントマネジャーの使命。
アカウントマネジャーは、「仕事を獲ってこなければならない」。
案件が足りなければリード(案件の芽)をみつけてこなければならない。
リードが足りなければリードをくれる人や場所を探して回らなければならない。
それでも足りなければ、(既存)案件を少しでも延長・拡大していかなければならない。
ただ、残念ながら、世の中には、「みつけてこれない」のはおろか、「リードをもらう」ことが極めて下手なアカウントマネジャーもいて、そういう人と近況交換していると、とてもかわいそうに思えてしまう。
自分にも経験談があるが、人から「もらう」案件に対して、オーナーシップが持てないという感情がまず存在する。他人からもらったリードは、自分の得意領域、得意スタイルでさばけない仕事かも知れない、今はそれがわからないけど、いずれそういう仕事になってしまうかも知れない。そういう感情の派生であろう。
ただ、そういう人には(プライド高い人も多いので^^;)できるだけ言葉遣いは考えつつも、「リードをあげる人の気持ちも汲み取ってみる」ように、アドバイスをするようにしている。あるいは、後進が相手の場合は、くみ取れるようにシナリオを操作してなんとか自然に気付いてもらえるように配慮してみている。
自分でリードをみつけてきて提案して案件化して、実行して成果を出してクライアントや仲間に感謝される、というのは最高のストーリー。だが、
現実、世の中そんなに甘いもんじゃない。
どんなビジネス、どんな企業でも「全員アカウントマネジャー」なんて組織になることはおそらくないだろう。だからアカウントマネジャーを務めるのであれば、こういう意識を持ってほしいなと思います。
特に私の業界では通説じゃないかと思いますが、アカウントマネジャーになることが基本的に昇進の道なので、大抵の人はアカウントマネジャーを目指します。
だけど、誰でも何人でもそれになれるわけじゃないので、いわゆる椅子の数は決まっており、その数に限定されるように、アカウント(売上)が個人単独の力で簡単に作り出せるような設定には、そもそもなっていないのです。
要は、個人の力だけで数字を作り出すことは、基本的には不可能。仮にできたとしても、それは99%個人の力じゃなく、単にラッキーだっただけ。
そして、目指して「成れた」人は、その次のアカウントマネジャー世代へ、アカウントを、あるいはリードを継承させていくのです。それがこの世界の掟。それだけは今後も守られてほしいなあ。
たとえ、十人十色な世界だとしても。