【自由と自分軸】自分軸とは?
「自由を得るための自分軸活用法」というテーマでしばらく書いていこうと思います。
僕が生まれた50年前と比べても、選択肢や可能性が広がり、また昔は許されなかったようなことも許されるようになったと思います。
そういう意味では、僕たちは自由になったのかもしれません。
でも、本当にそうなのか? 何だか昔より息苦しくなっているような気が一方ではします。また、生き方が多様化した分、自分の生き方が本当にいいのかという疑問で苦しんでいる人が増えているようにも思います。
自由とは何かは、哲学の永遠のテーマであり、その核心に踏み込んでいくのは僕には力不足です。
しかし、僕は自分なりに自由を感じています。生まれつきではなく、長い試行錯誤の末今の状態にたどり着きました。
なので、あくまで僕の個人的な見解ではありますが、僕が思う自由と自分軸の関係をお話しすることはできます。そして、それが誰かの役に立つかもしれません。
そういう気持ちで書いていきたいと思っています。
では、まず僕のいう「自分軸」とは何かを、概要だけお話しします。
●「誰に・何を・なぜ」提供しているのかを言語化
「自分軸」という言葉を多くの方が使っています。定義はだいたい曖昧です。「ぶれない自分だけの軸」というのが多くの方が使っている意味だと思われます。
これは間違いではありません。むしろ正しい。ただ、ここまで抽象的だと何から考えていけばいいか分かりません。
そこで、僕は自分軸を以下の通り定義しました。
「誰に・何を・なぜ」提供しているのかを言語化したもの
これがなぜ自分軸になるのでしょうか?
●人の役に立たったという実感が生きる原動力
僕たちが自分軸を問題にするのは、生き方に悩んだときです。普段は自分の軸がどうだなんていうことは忘れています。
判断に迷った時に自分軸を照会しようと考えるような人は、より良い生き方をしたいと願っている人でしょう。
では、人生の良し悪しをどうやって判断するのでしょうか?
結論をいえば、それは人の役に立ったという実感があるかどうかではないでしょうか。
人の役にたった結果、お金が手に入ることもあるし、賞賛や名声を得られることもあるし、その他いろいろな報酬を得られることがあるかもしれません。しかし、報酬の有無は別として、まずは人の役に立ったという実感がないと生きる原動力が失われるように思うのです。
別にキレイゴトを言っているわけではありません。人の役にたったという実感は人によって違います。報酬額で判断する人もいるでしょうし、賞賛度合いで判断する人もいるでしょう。報酬も賞賛も全部だという人もいれば、感謝の言葉で十分という人もいます。笑顔でいいという人さえいます。
どういうものさしを採用しているかは今は措くとして、いずれにしても人の役に立ったという実感が人を支えているといって差し支えないでしょう。犯罪組織にいる人だって、ボスに褒められないとやっていられないはずです。
となると、全ての人の役にたつのは困難ですから、自分がどういう人の役に立てるのかをまず考えないといけません。
また、誰の役に立てるのかを考えるにあたっては、自分が何を提供できるのかを考えることになります。「誰に・何を」の2つは表裏一体です。
さらに、自分がなぜ提供したいのかを考えないといけません。これには大きく2つの理由があります。
1つは、相手側の問題です。人は理由のないものを受け入れるのは困難です。誰かに提供しようと思ったら、その理由がないと提供さえできません。もう1つは自分側の理由です。人に提供するのには困難が伴います。モノを売ることを考えれば十分でしょう。理由がないと続かないのです。
人の役に立つことがより良い生き方をするための原動力だと言いました。そして、「誰に・何を・なぜ」提供するのかが明確にならないと人の役に立つのは困難です。
なので、この3つを自分軸にしましょうという話なのです。
●「誰に・何を・どうやって」とは違う
ところで、よく似ているのですが、「誰に・何を・どうやって」提供するかを考えろという人もいます。
マーケッターがよくこういうことを言います。マーケティングの世界では定跡なのでしょう。もちろん、この言葉自体は間違いではないのですが、自分軸にはなりえません。
というのは、「どうやって」というのは、軸ではなく変えていく必要があるものだからです。
上の図を見てください。英語の頭文字を取ると6W2Hと呼ばれるものです。
これらには階層があります。
まず、「なぜ」(Why)。これは、変えない――というよりも変えられないものです。経験によって積み重なることはありますが、根底は変わりません。これが変わるのであれば、それは人格が変わることに等しいと言えます。
僕は、会社の自分軸(会社軸または事業軸ということもあります)作りのコンサルティングをすることがありますが、「なぜ」を変えるのは、新しい会社を作ることと同じだと説明します。
次に、「誰に」(Whom)と「何を」(What)。これは、決めるものです。会社でいえば、中長期計画のようなもの。一旦決めて、これらをベースに他のことを考える。長い目で見れば、変えたり、増やしたりすることは構いません(「大きなPDCA」)。場合によっては、一生変えなくても構いません。
そして、その他(Who、When、Where、How、How much)。これは、短いサイクルで状況を見て、頻繁に変更していくべきものです(「小さなPDCA)。「どうやって」(How)はここに含まれます。
頻繁に変えるものを軸にしてはいけません。軸は、不動のものと長く変わらないものです。そして、これらを軸にしておかないと、これら以外を変えることができません。軸がないのに変更すれば、バラバラに飛び散ってしまいます。
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今回は、自分軸について概要をお話ししました。
自分軸の詳細な説明と作り方については、無料の連続メール講座を用意していますので、興味があればご参照ください。
▼「行き詰まりを感じる人のための起死回生策―「自分軸」入門」
http://www.itbt.biz/jibunjiku/jibunjiku_MS.html