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ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

売り込むよりも、聞く努力が明日を作る

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我が家はマンションでインターフォンがある。ときたま営業マンが、インターフォン経由で営業してくる。

新聞の勧誘みたいなしつこいのは論外だが、あまりあっさりしているのもなんだかなあと思う。

今日も生協の勧誘員がきたのだが、「いつもお断りしているんですが」というと「そうですか、失礼しました」とあっさり引き下がった。

 

れでも、数を回れば一定の割合で成約するのだろうが、成約率を上げたいのならせめて、「差し支えなければ、お断りになっている理由をお聞かせ願えませんか」ぐらいのことは頼んだほうがいい。

中には「忙しいから」と断る人もいる。むしろ多いのかもしれない。でも、どうせすでに鬱陶しがられているのだから、ダメもとで聞いてみればいい。

少なくとも、成約件数よりは大量のデータが集まるのは間違いない。



のデータが貴重なんですよ。

こういうデータなしで営業会議なんかできないと思うのだけど、多くの会社が、営業成績報告会(&叱責会)をやっているだけなんだろうなあ。

たとえば、僕が断っている理由は、マンションの裏に本当に安いスーパーがあるからなんです。徒歩1分で行ける。だから、生協から買うメリットがさっぱり分からない。とはいえ、うちのマンションにも生協から買っている人もいるのは知っている。だったら、そういう人たちがなぜ買っているのかを聞いて、A4・4ページ(A3二つ折り)ぐらいのパンフレットを作ればいい。それを投函して「数日中にお伺いします」と写真入りの名刺でも添えておけば、まったく反応が変わってくるはずだ。

なお、応酬話法というものを心得ている人なら、断る理由を聞いてから説得に入るかもしれない。それ自体は積極的でいいと思うのだが、応酬話法自体もデータを集めていなければ、あまり意味がないのである。データに基づけば説得力を持つが、頭の中で考えただけなら見透かされる。

どれだけスキルのある営業マンでも、我慢強くデータだけ集めている時期というのが必要なのである。



て、こういうことをいろんな会社の営業のトップに言っているのだが、そんなことは「営業のイロハ」だと返ってくることが多い。いちいち教えていらないよ、というわけだ。

それが本当だとすれば、ほとんどの会社が「営業のイロハ」を、部下に教えていないことに気が付いていないということなのである。

営業は売り込んでも売り上げは伸びない。しかし、データを集める努力を怠らなければ、近い将来必ず売り上げは伸びる。

お客に聞いてない営業マン、あるいは会社って本当に多いのです。信じられないぐらい多い。売れてるときも(こそ)聞かないとダメです。そうしないと、たまたま売れているだけということになる。

 

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