7月22日 悪い情報~悪い情報を出しやすくせよとのことだが・・・(#425)
いい情報ばかり集まってきて、悪い情報が集まってこないリーダーでは必要な手が打てない。さらに諌言をももらわなければいけない。
と、松下幸之助さんは簡単に言いますが、これほど難しいこともない。
まず、悪い情報についてですが、これは不信感があれば、絶対に出してくれません。
怒らないから悪い報告もしろと言っても、一瞬不愉快な顔になるもの。そういうことが、二、三度あれば、それ以降は出てこないでしょう。
ましてや諌言です。こんなものが普通に言える部下は、どこか神経が切れていると言ってもいいでしょう。諌言風だけど、だいたいはただの文句です。
文句を聞くのも度量のうちではありますが、本当に聞くべきような諌言はなかなかありません。
松下さんは、徳川家康の「主君に対する諌言は一番槍より値打ちがある」という言葉を引きますが、三河武士団だからこそと思います。
三河武士団は、家康が幼少時に今川義元の人質だったとき、今川軍の中で一番苛烈な箇所でずっと戦わされてきました。毎回戦死者が続出の状況の中で、松平家復興だけを悲願として、一枚岩の結束が作られてきた軍団です。
家康もそれを知っているからこそ、彼らの意見を取り入れたし、彼らも時に切腹も覚悟で諌言できたわけです(もう命を捨てていますから)。
ということで、本当の意味での諌言が部下から出てくるには、そのチームにはそれなりの物語がないと不可能ではないかと思うのです。
今日の一言)悪い報告は、怒らなくても、二、三度いやな顔をするだけで出てこなくなる。諌言に至っては、地獄をくぐり抜けて一体化したチームでないと本物は出てこない。
本年の一日一言は、『松下幸之助 成功の金言365』を毎日1ページずつ読んで、自問自答するという趣向です。
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