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ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

5月16日 念入りに、しかも早く~時間はお金より大事・・・(#358)

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松下幸之助さんが、昨日紹介した米倉さんの店で、ある店員に説教したそうです。

彼は、サービスが大事だということで念入りに松下さんの頭にあたったのですが、1時間で終わるところを1時間10分かかってしまった。松下さんは、念入りにやったからといって時間もかかるのは良くない、これが50分で終わるのなら立派なのだがと言ったそうです。

次回、その店員は50分でやってのけたということでホッとしましたが、実際丁寧であれば時間がかかってもいいという人が多いようです。

時間でお金は稼げるけれど、お金で時間は買えません(時間の節約という意味での外注化はできますが、時間そのものはどうやっても買えません)。

私は部下がいたときに、拙速で構わないから、とにかく夕方までに全体を仕上げて見せてくれというお願いを、いろんな人にしたことがあります。

拙速で全体を仕上げるというのは、実際は次のようなことです。

まずは目次をつくり、自分ができるところや優先度の高いところはどこかを見極めて先にやり、できないところは構想だけ書く、というようなことです。

上司である私は、どこを支援したらいいか見極めるために上のような指示をしたわけです。また実際、指示するときに、この旨も伝えていました。

ところが、試験の答案のように、全部のページをきちっと仕上げないといけないと思う人がいるわけです。

誰にそういう傾向があるかは分かっているので、そのような人にお願いしたときは、こちらも不安です。それでときどき進捗状況を確認しにいくのですが、大丈夫ですというだけ。途中でいいから見せてくれと頼んでも、信じてくださいなどという。

そして、夕方になってから、できませんでした、徹夜してでもやりますから明日の朝まで待ってくださいなどという。

その時点で、徹夜してもロクなものはできないと分かります。そして、急ぎの仕事は二度と頼みません。じっくり丁寧にやれる仕事だけをお願いするようになります。

人間、向き不向きがあるといはいえ、自分から自分の仕事の範囲を狭めるようなことをしないほうがいいと思います。

丁寧に早くどころか、拙速でもできない人が多い。丁寧に早くできる人などは、引っ張りだこだと思います。

今日の一言)時間でお金は作り出せるが、お金で時間は作り出せない。このことを理解すれば、納期を守らないことの罪の大きさが分かる。

 

本年の一日一言は、『松下幸之助 成功の金言365』を毎日1ページずつ読んで、自問自答するという趣向です。

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