3月26日 真の自省~自然の声を聴こう(#307)
松下幸之助さんは、戦後厳しく言う人が少なくなり、自省を尊しとする空気も失われたと、昭和39年の時点で嘆いておられます。
今回の震災でも、これまでの生き方を自省し、今後は節約やモノを大事に使うことを心がけようという人が増えたとは思いますが、従来の大量消費・経済成長至上・拝金主義的な生き方を改めない人も多いように思います。
後者が悪いかどうかは、私には断言できません。ただ、違和感があるのは事実です。『シェア』などの本を読めば見えてくる、ここ数年の歴史のうねりに沿っているとも思えません。
たとえば今後、電力はやはり節約していかないといけないでしょう。
一方で、今までよりも画期的な水準の省エネ製品作りに取り組んだり、もっと安全で効率的な発電システムの開発に取り組む技術者の姿も尊いと感じます。
ただ、それは、GDPを増やすとか、貿易黒字を増やすとかいう方向性ではなく、自然との共存や人間性の回復のために使われてほしい。
今までのようなむやみやたらな個人消費ではなく、分かち合い、最後まで使い尽くすためのインフラに使われてほしい。
結果として、日本が世界に冠たる幸せ大国になってほしい、と私は思います。
そうなれば、経済成長はなくても、財政赤字も減っていくように思います。
たとえば医療費は、ここ20年ぐらいで爆発的に増えました。これは、不自然な暮らしを多くの人がしていることによるものではないでしょうか。
自然な暮らしをすれば、医療費なども減っていきますし、またむやみな便利さを求めなければ、支出も自然と減っていくはずです。
私自身、歴史を学んできたので、江戸時代の三大改革は緊縮財政であり、結果として景気が悪くなり、幕府を衰退させた。お前の言っていることはこれと同じではないのか、という意見もありそうに感じます。
一般に、節約ムードは、たしかに世の中を暗くすることが多い。そのためますます深みにはまることも多い。
ただ、そのような節約ムードとはまた違うと思うのです。明るく、楽しく、自然と暮らすという道はあると思っています。
要するに、我々は本当はどちらが幸せなのだろうということを、みなが論議を尽くして、考えればいいように思います。
震災後、ある女性経営者とメールのやり取りをしました。その方もそうでしたが、多くの女性が上のような考え方に共感してくれています。そのことを書いたところ、「女性には自然の声が聞こえるからでしょう」と返事がありました。
本来は男性にもある感性だと思います。特に自然を相手に生活を営んできた方には、備わっていると思います。
私も、及ばずながら、自然の声が聞こえてくるような感性を磨いていきたいと思います。
今日の一言)自然の声に耳を傾けよう。
『松下幸之助 成功の金言 365』を毎日1ページずつ読みながら、書いております。
3月24日までは、同書の「自問自答」という欄に対して自分なりの回答をするという趣向で書いていたのですが、本当に本文を読んでいるの?という「自問自答」が多いので、3月25日からはやめて、松下幸之助さんの言葉に直接向き合うことにしました。
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その上で、これを読むといいと思います。
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また、テレビで読み上げられているFAXも参考になります。みんな、こんなに暖かい言葉を持っているんだなと感動します。特に子供たちの言葉がすばらしい。襟を正して聞いています。