欲しいのは、本気になれるビジョン(#182)
はじめての人は、使命感と本気度で判断するといい。
『デフレの正体』を読んで、賛否両論ぶりをネットで調べて、その後、いろいろと考えていました。
▼『デフレの正体』
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ごくおおまかにまとめると、肯定派は、論旨が分かりやすく、現在の日本の経済状況をよく説明していることに賛辞を述べています。
一方、否定派は、説明が分かりづらい、経済学が分かっていない、批判が辛辣で態度がでかい、データが牽強付会と主にこの4つの理由で否定しているようです。
批判は自由と思うし、なるほどと思うこともあります。
ただ、提言をしている人はほとんどいない。あるいは、こういう行動をすると宣言する人も少ない。
これが、日本の一番の問題ではないかと思い、一人胸を痛めていました。それで、昨日は誠ブログにかけませんでした。ナイーブといえば、ナイーブだなあと思います。
●私は、なぜ会ったこともない藻谷さんに共感したのか
さて、私はなぜ会ったこともない人に共感しているのでしょうか?
第一に、本気度です。
著者は、年間300本から400本の講演をこなしているそうです。
それだけのオファーがあるのも驚異的ですが、受けるのはもっと驚異的です。
やってみれば分かりますが、年間数十本でも体力的にきついです。
講演料にもよりますが、年間150本以上のオファーを受けるような人であれば、年100本もやれば、それだけで食べていけます。
要するに食べるだけのことを考えている人なら、年100本以上の講演はやりたくないという気持ちになるはずなのです。
年300本を超える講演は、本気でないと、とてもできません。
第二に、何に対して本気になっているか。つまり使命感です。
使命感を測るには、どのようなビジョンを持っているか、それに自分が共感できるかどうかです。絶対的な基準はないから、自分で判断するしかありません。主観的なのはしかたがない。
藻谷さんのビジョンを引用します。
私が深い確信をもって想像するのは、「多様な個性のコンパクトシティたちと美しい田園が織りなす日本」の登場です。人口減少の中で一人一人の価値が高まる中、その中で暮らす人々も、それぞれやりがいのあることを見つけて生き生きとしています。そうした未来の実現に向けて自分の地域を良くして行こうと活動する老若男女はどんどん増えていくと、私は新たな風の始まりの部分を日々全国で実感しているのです。
(前掲書)
実は、私はこのビジョンを先に知り、それから『デフレの正体』を読みました。
このビジョンは美しく、私は共感しました。なので、「批判が辛辣で態度がでか」くても、平気で最後まで読めたのかもしれません。そして、どうせ批判をするなら、これ以上のビジョンを提示してほしいと思うのです。
※ビジョンを提示しないで批判してはいけない、と言っているわけではないのです。単に事実の間違いを指摘することも意義のあるときもあります。ただ、批判するからには、批判対象を超えるだけの共感性を獲得しないと、批判することで自己満足しているだけと思われます。
知らない人を判断するのに、私は本気度と使命感以外の指標を知りません。
この判断基準はきわめて主観的であり、その後裏切られることがあるのも知っています。ただ、最悪裏切られる覚悟を持たないで、新たな出会いを求めることはできないとも考えています。
●とはいえ、不満もある
冒頭、私は、胸を痛めていたと書きました。
こういうときは、一人で考え込んでいてもしかたない。答えが出るかは分からないが、とりあえずは年300回以上もやっている藻谷さんの講演に出かけよう。これだけの回数ならオープンの講演もあるはず。そこで、本人を見て、本人の話を聴き、でき得れば直接話をしてみようと思いました。
それで、ネットで「藻谷浩一 講演」で調べたのですが・・・。
最新の講演予定がぜんぜん出てきません。Googleでは、ずいぶん昔の議事録ばかり出てくるし、Yahoo!では、今年の9月の開催案内が出ていましたが、11月以降は出てきません。
もちろん、こちらが本気であれば、ネット以外でもいくらでも調べようがあります。ただ、ちょっと萎えたのは事実です。
この人、本当に年300本以上も講演をやっているの?(注)
こんな疑問を持たれるのは、ちょっと怠慢(本人なのかスタッフなのかはおいて)では、ないでしょうか・・・。
ということで、まだまだ胸の痛みは治りません。
(注)こちらは事実として、年間350本前後の講演をしている福島正伸さんも、検索結果は同様なので、藻谷さんも本当だと思いますが、藻谷さんはHPもブログもないので、今のところよく分かりません。まあ、あればいいというものでもないでしょうが・・・。
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