イベントを学ぶイベント 〜 Event Festival Tokyo 2013 参加レポート
「四角のいけす」、「石のスープ」etc. Event Festivalで印象に残った言葉について、主に自分のアタマの整理を目的にまとめてみました。
イベント主催者やイベントに関心のある人が集まるイベント(ややこしい・笑)、Event Festival Tokyo 2013 に参加しました。私は、仕事では記者会見やPRイベント、趣味ではPRラボやJPOPNITEの運営に携わるなどイベントと密接に関わって生活しているので、世の中のイベント主催者の方々はどんな思いで運営をしているのか、どのような運営のノウハウがあるのかに興味がありました。
参加したセッションはごく一部でしたが、いずれのセッションにも印象に残る言葉があったので、ご紹介します。
■ Vision Talk 2
TEDxTokyo 共同創設者 Patrick Newell さん
Patrickさんはヒース兄弟の “Made to Stick”という本(邦題:「アイデアのちから」)にある「アイデアをStickにするための6つの原則」をベースにTEDxTokyoの特徴を解説されていました。”Stick”は「ステッカー」という言葉になっているように、貼り付く、粘りつくという意味なので、日本語にすれば「アイデアを印象づけるための6つの原則」という意味になるかと思います。
下記がその6つの原則です。
「アイデアを印象づけるための6つの原則」
1. Simple - 簡潔
2. Concrete - 具体的な
3. Emotional - 感情的な
4. Unexpected - 予想外な
5. Credible - 信頼できる
6. Stories - 物語
例えば、TEDが100%ボランティア運営であることや、多種多様な講演者を招き、一貫性のあるテーマがないことが”Unexpected”であるというお話がありました。
Patrickさんの講演で最も印象に残っているのは、質疑応答の際に「イベントを運営する上で最も重要視していることは何か?」といった趣旨の質問の回答で "The most important thing is TO HAVE FUN!!" と即答されていたことです。なるほどたしかに運営する側が楽しんでいることがイベントを運営する上で一番大事なことだよなと納得しました。
■ イベントから生まれる新しい文化
afromance/BURNING JAPAN, 泡フェス
内沼晋太郎/numabooks/B&B
泡パーティやBURNING JAPAN、7日間ノンストップDJイベントなどなど、奇想天外なパーティをオーガナイズしているafromanceさんと「毎日何かしらのイベントを開催している」下北沢の本屋B&Bの内沼さんのパネルディスカッションでは、斬新な取り組みを展開する両人による意見交換が行われました。
とりわけ強烈な印象が残ったのはafromanceさんの(着ている服と)「四角いいけす」のお話。
魚の養殖場で、四角いいけすで魚を育てていたところ、どうしても四隅でサボる魚がいる。
そこで、サボれないように円形のいけすに変えたところ、魚は全滅してしまった。
要するに、魚だってサボる=休む場所が必要だったということ。エンタメというのは人間にとって「四角いいけすの四隅」であり、それを作るのがパーティクリエイターであるafromanceさんの仕事なのだというお話でした。
シンプルなことですが、イベントオーガナイザーの「哲学」こそがイベントを成立させるための柱になるのだよなと感じました。
■ サロンからフェスティバルまで、人気ママイベントのつくり方
東京こども星レストラン x PowerWomen x WANAVI
私事ながら今年こどもが生まれまして、子育て中の親向けのイベント運営にも興味があったので参加してみました。
ママ向けイベントならではのノウハウが惜しみなく紹介されたセッションで、ママたちのクチコミ力を活かすネーミングの重要性やどのような場所での開催が望ましいかなど、具体的なお話を聞くことができました。
今回のEvent Festivalでもワンコイン子育てシェアサービスを全国で運営するAsMamaさんがこどもの一時預かりサービスを実施していらっしゃいましたが、子育て中の親にとって、イベントに参加するときにはこういった預かりサービス、少なくともオムツ替えや授乳スペースがあることが望ましいので、様々なイベントで子育て中の親向けのノウハウが活かされて、いろいろなところにお出かけできるようになるといいなと(切実に…)思いました。
■ 1人のアクションから全国のアクションへ〜イベントムーブメントのつくり方
100万人のキャンドルナイト 伊藤菜衣子さん
ご存知の方も多いと思いますが、100万人のキャンドルナイトの運営事務局の秘話を、もはやオフレコじゃないとマズいんじゃないかというほどの生々しさでを聞くことができました(笑)
盛りだくさんのセッションだったのでいろいろと書きたいところですが、あえてひとつ取り上げたいのは「石のスープ」というキーワード。検索するとWikipediaなどで「石のスープ」という民話の解説が出てきますが、このセッションの文脈に近いのは絵本で紹介されているお話だと思います。
---引用---
舞台は中国。戦争や災害で村人の心がすさみ、自分の事しか考えなくなってしまった村に、3人の旅の僧が立ち寄ります。他人に無関心な村人たちは、誰も僧たちに気を留めません。でも僧たちが「石のスープ」を作り始めると、好奇心から村人たちは窓を開け、徐々に鍋の周りに集まり・・・そして僧の言葉に応えて次々と食材を持ち寄り、ついにはできあがったスープを囲んで交流をはじめるのです。
---引用終わり---
いろいろな業界の様々な大物を「巻き込んで」大きくなっていったキャンドルナイトというムーブメントはそれ自体が「石のスープ」なんだなぁと思わず納得しました。この「巻き込む力」はぜひ見習いたいです!
以上、Event Festival Tokyo 2013の個人的な参加レポでした。
以下、宣伝!
私がお世話係として運営に携わっているPRラボのイベントが明日開催予定ですので、ご興味のある方はぜひご参加ください。今回は現場で活躍するコピーライターの方をお招きして、「コピーライター的考え方」を身につける実践的なワークショップです。
日時:2013.6.1 (Sat) 12:30~17:00
受付:12:30~
時間:13:00~17:00
場所:Creator's District 608
渋谷区渋谷1-17-1 TOC第2ビル6階 608
参加費用: 1,500円