SXSW2017観戦記ーその9 TRADESHOWで気になったブースあれこれ
SXSW(サウス・バイ・サウス・ウエスト)は、世界80か国以上からの参加者同士がネットワーキングを目的に"参戦"する今最も注目されるフェスティバルだ。日本企業の活躍をこれまで紹介してきたが路面施設やメイン会場のTRADESHOWの会場から興味を引いた展示を紹介したい。
興味を惹かれるさまざまな展示がTRADESHOWの会場に埋め尽くしています。キチント見ようと思ったら全然時間が足りなかったので気になった展示だけをダイジェストで紹介します・
《音楽やトレーラー農場、人間の能力を増強する工具まで》
1. 世界にたったひとつの靴を3Dプリントしよう!(Feetz)
Feetzは、アメリカテネシー州に本拠を置く4年目のスタートアップ企業。3Dプリントと独自開発したアプリケーションによって、あらゆるシューズをその人に最適な形、デザインにカスタマイズして届ける。アメリカやイギリスではインソールを3Dプリントする企業は存在するが、靴のデザインやカラーなどもいくつかのスタイルも選択できるのは興味深い。ユーザーは自分の足をスマホにダウンロードしたアプリで3つの異なる角度から写真を撮り、Feetzに画像を送信するだけで約一週間で自分だけのオンリーワンのシューズを作ることができるという。
《左右別々に3D化したデータで自分だけの靴を出力する》
2.電子工作マニア集まれ!(sparkfun)
日本では東京の秋葉原や大阪の日本橋がメッカともいえる電子部品。海外に目を移すと 日本にはない、珍しい部品や興味深いパーツが多々売られているのが海外パーツショップです。sparkfun もそのような電子部品通販ショップで2003年に、当時コロラド大学の学生が始めました。米国コロラド州ボルダー市にあります。特にブレッドボード(電子回路の試作・実験用の基板)関連のパーツ、各種マイコンボード、ブレイクアウトボード(拡張や接続のためのボード)の種類が豊富です。
《電子部品の通販ショップだが、SXSWではワークショップを開催していた》
3.デジタルの時代だからこそアナログを見直そう(socialimprints)
カラフルなバドワイザーのブースやTRADESHOWで展示を行っていたアナログなシルクスクリーン印刷がとても気になった。
《味のあるシルクスクリーンの魅力は、デジタル化が進む現代だからこそ映える》
4.インテリジェントロボット(KUKA)
AIやIoTに加え、ロボティクスの分野も目が離せません。1898年にドイツで誕生したKUKAは、フォルクスワーゲンやダイムラー・ベンツのためにヨーロッパ初のロボット導入溶接コンベアラインを製造した会社として知られています。KUKAは40年以上前から産業用ロボットを製造しており、1970年代に初の産業用ロボットによって今日のインダストリー4.0の基礎を築いています。デモでは、液体の入った瓶を軽々とつまみ上げ投げ飛ばして順番に並べていく曲芸を披露していました。
《人間が投げたらこんなに正確に並べることは不可能だと思う》
5.スピーカ界のダイソン!?(Phantom)
SF映画に出てきそうな先進的なデザインのPhantomは、筐体の「壁」を振動させて従来のスピーカでは考えられない音質を提供する。小さな体から透明でクリアな音を響かせ、ボリュームを最大まで上げてもクリアな音は変わらない。最近全米トップ14箇所のAppleストアでこのスピーカーを販売することになったという。なるほどAppleストアにおいてもCoolでスタイリッシュだと思う。このスピーカーの開発にDevialetは10年の期間と2500万ドルの研究コストをかけて77件の特許(うち 37件はサウンドそのものに関連)を取得しているという。
《仏のオーディアメーカであるDevialetが、製造する高音質かつユニークなデザインが特徴》
6.スマートビューティーミラー(Hi Mirror)
資生堂のアプリを見た後に会場で目にした製品がこれ。肌の状態を自動解析するスマートな鏡「Hi Mirror」。台湾企業が製造しており、日本ではXYZプリンティングジャパン株式会社が提供している。スマホ利用のアプリと違って、「Hi Mirror」はデバイス上部に取り付けたカメラでユーザーの顔を撮影し、その日の肌状態を分析する仕組みだが、それ自体が鏡の役割を果たす。
分析は、顔色や小皺、くま、斑点や毛穴など、細かな部分を含めて自分の肌の状態を知ることができる。そして一人ひとりに合ったスキンケアのヒントをビッグデータをベースに、ライフスタイルから個人の肌タイプを分析して同じ悩みを抱える人が、実際に試して効果のあった化粧品なども紹介してくれるらしい。
《巨大なipad?!目玉おやじのようなカメラが特徴的》
7.紙や包装製品の可能性を見直す(PoweredByPaper)
紙や包装製品は、私たちの生活の中でこれまでごく当たり前の存在でありながら、改めてその可能性を見直してくれる展示だった。デジタルビジネスの時代にアナログナアプローチかもしれないが、何か暖かく、そして懐かしい。
《元工作少年としては心踊らされる展示であった》
8.子供たちの夢はいつの時代も宇宙へ(NASA)
あのNASAも展示スペースを設けてさまざまな展示を行っていました。HMD(ヘッドマウントディスプレイ)をつけたアトラクションでは、子供たちの行列ができていました。宇宙船での旅や火星探索の様子が体験できたのかな。
《宇宙服やロケットの模型は、社会科見学のノリ》
(つづく)