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人を動かすものは何でしょうか?様々な「座右の銘」から、それを探っていきたいと思っています

「賞味期限」と「消費期限」の違いをご存じですか?

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去る12月18日、消費者庁は、食品ロス削減の取組を広く国民運動として展開していくことを目的とし、消費者等に対し広く普及し、波及効果が期待できる優良な取組を実施した者を表彰しました。その詳細はこちら

また、もう2ヶ月近く前のニュースで恐縮ですが・・・

去る10月30日、消費者庁は、消費者に「賞味期限」の意味を正しく理解してもらうために「『賞味期限』の愛称・通称コンテスト」を開き、その結果を発表しました。

ここで、先にタイトルを片付けておきましょう。「賞味期限」と「消費期限」、紛らわしいですね。読者の中には、この2つが存在していることを知らなかった、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

  • 賞味期限:
    おいしく食べることができる目安。この期限を超えても、突然おなかを壊したりすることはまずない。
  • 消費期限:
    安全に食べることができる目安。この期限を超えたら食べるのを控えるほうがいい。

ところが、賞味期限の日付をピンポイントで超えたらその食品を捨ててしまう、という人が少なからずいらっしゃるようで、それを変えるために上記のようなコンテストを開いた、というわけですね。

これらの取り組みのそもそもの目的は、「国民1人あたり、毎日茶碗1杯分程度行われている食品廃棄を減らすこと」です。なんと、「食品ロスの削減の推進に関する法律」なんてのもありました。この法律は、一言でいえば「国、地方公共団体、事業者、消費者は、それぞれの立場で食品ロスを減らすよう努力しましょう」という法律です。努力義務を謳ったもので、その義務を違反しても罰則等はありません。知らんかった・・・

そう。私は今の今まで、上記のような法律があることも、上記のようなコンテストがあることも、優良な者を表彰したことも、まったく知りませんでした。これは私が世間知らずなのか?それとも、啓蒙活動が不十分なのか?

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今年から私は、「目的指向」という考え方を推奨しています。この指向については別途機会を設けて説明しますが、簡単にいえば「すべての活動には必ず目的がある。その目的を常に明確にして、意識し続けよう」ということです。当たり前といえば当たり前ですが、イザ活動を始めてみると、その活動をすることそのものが目的になっていませんでしょうか。『賞味期限』の愛称・通称コンテストなんてものすごくいい取り組みなのに、私、残念ながらこの取り組みを今日まで全く存じ上げませんでした。この取り組みの本来の目的は「食品廃棄を減らそう」のはず。だったら、もっともっと啓蒙活動をしてしかるべきではないか、とも思うのです。

「今は食品廃棄の問題よりコロナでしょ」という声が聞こえてきそうです。確かに優先順位を考えることはものすごく大切ですが、かといって「コロナ対策に全集中(!?)して、食品廃棄を減らすという活動を一旦休止しよう」と決めたわけでもありません。

常に、「活動することそのものが目的になってやしないか?」ということに注意しましょうね。

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