11. プレゼンテーションの95%は最悪である
私が言ったんじゃないですよ ^_^
今回ご紹介する本、「プレゼンテーション zen」の序文に書いてあったんです。
いや、書いてあった、というよりは、描いてあった、というほうがいいかな。
私はプレゼンテーションやコミュニケーションなどの講師をしています。僭越ながら確かに、プレゼンテーションをさせて頂いたり、他人様のプレゼンテーションを拝見したりすることが多い立場にあって、多くの人のプレゼンテーションは「イケてない」と思います。
イケてないプレゼンテーションの特徴は、大きく次の3つです。
- プレゼンテーションに目的がない、または目的があいまい
(説明をすることそのものが目的になってしまっている) - プレゼンテーション資料に振り回されている
(ただPowerPointのスライドや配布資料を読むだけのプレゼンテーションになってしまっている。たいていの場合、資料に文字が多すぎる) - 聞き手との双方向コミュニケーションができていない
(聞き手の反応を無視し、一方的に話をしている。話すことに一生懸命になりすぎている)
一方、イケているプレゼンテーションの代表、プレゼンテーションのお手本として注目されているのが、TEDです。ご存知の方もおおぜいいらっしゃるのではないでしょうか。TEDに登場する世界屈指のプレゼンタは、確かに上記の3つに陥っていません。特に目を引くのが、シンプルきわまりないプレゼンテーション資料です。
特に私のお気に入りが、これです。(Subtitles をクリックし、Japanese を選択すると、日本語字幕が表示されます)
とかく、多くのプレゼンタはプレゼンテーション資料に振り回されがちです。優秀なプレゼンテーションと、ほどよくまとめられた資料とは、本来共存できないものです。しかし多くのプレゼンタは、ほどよくまとめられた資料を使ってプレゼンテーションをしようとします。その結果、プレゼンテーションはお粗末なものになり、せっかくほどよくまとめられた資料も、二度と読む返されなくなってしまいます。
「プレゼンテーション zen」は、プレゼンテーションのレベルを上げ、誰もが(少なくとも、すばらしいプレゼンテーションがしたいと欲している人なら誰でも)すばらしいプレゼンテーションを行うために必要な、準備、デザイン、実施 についての手引きを提供しています。著者のガー・レイノルズ氏は Apple に務めていたこともあるプレゼンテーションのデザインと実施についての第一人者であり、また「禅」の研究者でもあります(彼によると、日本の幕の内弁当のシステムは最高なんだそうです)。
そう、良いプレゼンテーションは、日本の 禅 や 茶道 にヒントを得るべきなのです。できるだけ簡素に、余計なものを一切捨て去り、必要最小限のものだけを手際よく提供する。日本人だからこそできる「すばらしいプレゼンテーション」を、あなたも学んでみませんか?