Googleがはじき出した「良いマネジャーの8つの条件」
ニューヨークタイムスの、2011年3月11日の記事(もう2年前だ)によると、Googleは2009年はじめ頃から「良いマネジャーの条件とは何か?」というテーマで、お家芸のデータマイニングを駆使して、8つの条件を導き出したんだそうです。実は彼ら自身が「より良いボスを欲していた(They wanted to build better bosses.)」んだそうで、1万人以上の社員に100項目からなるインタビューを実施し、その結果を解析しようとしたんですって。
詳細は上記の記事に譲るとして、興味深いのはその結果です。天才集団であるはずのGoogle自身にしてからが、「より良いボス」の条件を次のように導き出しているのです。以下は重要な順番に並んでいます。
(訳が間違っていたら教えてください)
- 良いコーチであること
(Be a good coach) - チームに権限を与え、細かい管理をしないこと
(Empower your team and don't micromanage) - チームメンバの成功や個人の幸せに強い興味を持つこと
(Express interest in team members' success and personal well-being) - 弱虫でないこと。生産主義、結果主義であること
(Don't be a sissy: Be productive and results-oriented) - チームに対する良いコミュニケーター、良い聴き手であること
(Be a good communicator and listen to your team) - 従業員のキャリア形成の手助けをすること
(Help your employees with career development) - チームのための明確なビジョンと戦略を持っていること
(Have a clear vision and strategy for the team) - チームに助言をするための技術的スキルを持っていること
(Have key technical skills so you can help advise the team)
これは非常に興味深い結果です。上記は Google の従業員に対して行ったアセスメントであり、通常の会社とは少し異なる特殊な環境で働く少し特殊な人達の意見を集約したものです。それを割引しても、驚くべきことがふたつあります。
ひとつは、どんなに優秀な人達でも、優れたコーチを欲しているということです。凡人であればなおさらです。良いマネジャーは優れたコーチでなければならないのです。逆に細かい管理は望まれません。明確なビジョンと方向性、そして「どこまでできたらOKか」ということを示して、多くのことは部下に権限委譲してやらせればいいのです。
もうひとつは、技術力は大切ですが、そんなに重要ではない、ということです。部下の話を聴くことができる程度の技術力、部下にアドバイスができる程度の技術力は必要です。しかし、良い技術者だからといって良いマネジャーになれるとは限らない、というわけです。
人を束ねるために必要な力というのは、その「人」が変わってもそんなに変わらないものなのかもしれません。