「問題」と「課題」の違い・その3
前々回の続きです。
3つめに大切なことは、「何をもって『解決した』とみなすのか」という定義が必要だ、と書きました。そのお話を。
もう、ずいぶん昔に、とっても残念な友人の話をかきました。いつ書いたっけ?って今探したのですが、残念ながら見つけられませんでした。それぐらい昔に書いたことなんですけど・・・
その友人がなぜ残念かというと、常に達成感、満足感を得ていないから、なのです。それなりにやっているのですよ。がんばっているんです。でも、どれだけがんばっても、常に「自分はダメダメだ、まだまだだ」って思っているのです。
確かに、たゆまぬ向上心は必要です。自分に完全に満足してしまったら、そこで成長が止まってしまう可能性があります。しかし、「ここまでやった」という達成感は、モチベーションの維持・向上に必要なのです。「どれだけやったら及第点なのか」が定義されていないと、どれだけがんばっても達成感を味わうことができず、その結果、モチベーションを維持することも困難になるわけです。
問題や課題の解決にも、同じことが言えます。おおざっぱに、
何がどうなったら「解決した」と言えるのか
がはっきり定義されていないと、自分達がその問題や課題を解決したかどうかもよくわからないなくなってしまいます。
問題解決や課題解決にも、いわゆる目標設定が必要になってくるわけですね。目標設定と言えば、非常に有名な指標があるので(これもかなり前に書いた記憶はあるのですが)ご紹介しておきます。それは、SMARTという指標です。
Specific ・・・ 具体的であること
Measurable ・・・ 測定可能であること
Achievable ・・・ 達成可能であること
Realistic ・・・ 現実的であること
Time bounded ・・・ 時間的制限があること(あるいは Timely:即時的であること)
優れた目標はSMARTであるべきです。目標がSMARTであれば、自分達が目標に近づいているか、どの程度達成できたか、ということが定量的に計れます。また、その解決策がうまくいかなかった時の改善の目安にもなります。今のやり方を捨てる勇気にもなります。(改善のひとつの要素は、今のやりかたを捨てることです)さらに、目標を達成したときに達成感が得られます。この達成感は、次の課題が発生したときに「さぁ、解決してやろう」とがんばる動機と契機にもつながるのです。
問題や課題を解決する必要が出てきた際には、「何をもって解決とみなすのか」も必ず定義するようにしましょうね。