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人を動かすものは何でしょうか?様々な「座右の銘」から、それを探っていきたいと思っています

これで、いいのだ

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いわゆるヒューマンスキル系のトレーニング(コミュニケーションとか、プレゼンテーションとか、リーダーシップとか、最近の流行ではファシリテーションとか問題解決技法とか)を実施している立場の人間として、こういう発言をするのもどうかと思いますが、あえて。

ものごとを成功に導く行動規範なんてものがあるわけですよ。それってたいてい、過去に成功を収めた人たちがやってうまくいった行動規範の事例集とか、それらの行動パターンを分析して体系立てた(実践に基づいた)理論だったりするわけです。

ただ、そのエッセンスだけを拾って学習しようとすると、

  人の話を積極的に、丁寧に聴きましょう          とか
  人に何かを提案するときはまず結論から言いましょう  とか
  事実と感情はちゃんと区別して考えましょう        とか
  行動する前にちゃんと目標を立てましょう         とか
  行動した後は必ずうまくいったかどうか測定しましょう  とか

まー、いっぱい出てくるわけです。
それらの行動規範をちゃんと学習して、繰り返し練習を積んで、やがて自然に・・・そう、まるで自転車に乗るかのように自然に・・・そういった行動がとれるようになるまでは、本当に意識して意識して、そうした行動を取るように心がけていかなければなりません。

しかし意識してそうした行動を取るように努力しているうちに、やがて「そういった行動をとらなければならない」という呪縛に追い込まれます。そして神経質な人ならば、そうした行動がとれなかった自分を、能力が低いと悩み、ますます自分を追い込んでしまう可能性があります。

実は、こうした理想的な模範的な行動規範を学習する上で、重要なことがひとつあるのです。
それは、「うまく行動できない自分を認め、許す」ということです。心理学の世界にも、自己を受容して承認するとか、自分に対して許しを与えるという気持ちを持つことが重要だという考え方があります。この「自分を許す」という気持ちがなければ、理想的な模範的な行動規範を、余裕をもって学習することなんてできやしません。

このことを、たった一言で表した、超すばらしい言葉があります。そう、バ●ボンのパパの名セリフ、

                   これで、いいのだ

です。

大丈夫、あなたが失敗したら、自分で自分を責めなくたって、心配しなくても周りの人がいっぱい責めてくださいます。あなたはただ「これで、いいのだ」と思って、でもちょっと反省して、ちょっと自分の行動を振り返って、よし、次は失敗しないぞ、と注意すればいいのです。

行動規範を学習するときは、心に余裕をもって学習しましょう。キーワードは、「これで、いいのだ」です。

・・・と、ここまで書いて振り返ったら、私の前の記事に対する Eric さんのコメントに、まさに同じようなご意見がありました。Ericさん、ありがとうございます。

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