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人を動かすものは何でしょうか?様々な「座右の銘」から、それを探っていきたいと思っています

「指摘」と「評価」と「批判」は違う、と思う

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先輩が後輩に対して何らかの注意をしたり、上司が部下に苦言を呈したり、プロジェクトマネージャがメンバーに進捗の遅れを問いただしたり、・・・

そんなシーンは随所にありますよね。でも、効果的な叱り方、注意の仕方がわからずに困っている人も多いような気がします。逆に、頭ごなしに怒鳴りつけてしまい、結果的に部下のやる気を失わせて、パフォーマンスが低下してしまうこともあるのではないでしょうか。

これは最近になって私が気づいたことなので、誰か心理学者か教育学者のエラい先生が言ったわけではありません。そういった意味では根拠がないのですが、まぁ、お読みください。

叱ったり、注意したり、苦言を呈したりする際において、人の行動は大きく3つに分類できるのではないかと思うのです。その3つを便宜的に「指摘」「評価」「批判」と呼ぶことにします。日本語の本来の意味とは少し違いますので注意してください。

指摘」とは、相手がしでかした悪いことそのものや、その悪いことによってもたらされた悪影響などの事実をただありのままに述べることを指します。そこには誰の感情も入りません。あるのは事実のみです。

 例:あなたが明日までに資料を提出しないでいると、全体の進捗が2日遅れます。
   会議において司会者であるあなたの声が小さいので、後ろの人に聞こえません。
   ここは禁煙です。タバコを吸ってはいけないことになっています。

評価」とは、事実を述べた上で、客観的な良し悪しを判断する、または相手に告げることを指します。多少感情が含まれますが、それがメインではありません。なぜそれが {良いのか/悪いのか} という説明にフォーカスします。

 例:明日資料がないと困ります。進捗が2日遅れて、お客様に迷惑がかかるからです。
   司会者の声が小さいのは望ましくありません。会議の進行に影響するからです。
   ここでタバコを吸わないでください。煙を苦手とする方が大勢いらっしゃいます。

批判」とは、行動の良し悪しを主に感情で判断し、それを相手に告げることを指します。場合によっては、相手の人格を全面的に肯定/否定する可能性があります。

 例:明日までに資料が用意できないなんて、君は今まで何をしていたんですか。
   司会者の声が小さいですね。参加者に伝えようとする気がないんですね。
   ここでタバコを吸うなんて、あなたはひどい人ですね。

例はわかりやすさのためにかなりデフォルメしています。実際にこんな話し方をする人なんていないと思いますが、ニュアンスは伝わりましたか?

で、ですね。リーダーが部下に対して何かを言うときは、

   指摘 : 評価 : 批判 = 3 : 6 : 1

ぐらいの割合でないといけないのではないか、と思うのです。感情を振りかざすのだって、時には必要です。
しかもこの割合は、上司と部下との信頼関係や、部下が状況をどれだけわかっているか、ということによって大きく左右されます。
上司がその任に就いてまだ日が浅い場合、あるいは上司と部下との信頼関係がまだ十分に機能していない場合は、批判は避けたほうがよいでしょう。批判には「信頼」と「人間愛」が不可欠だからです。
また、部下が自分のしでかしたコトの大きさをよく理解している場合は、単に指摘するだけのほうが効果は大きいでしょう。上司は何かといいたいことがあるでしょうが、それをすべてぶちまけてしまうのはよくありません。

まったく見ず知らずの人同士の場合はどうでしょうか。例えば、列に並んでいるのに、割り込まれてしまった、何か言いたい、という場合。感情に任せて「何を割り込んでるんですか!」と怒鳴ってしまうと、怒鳴るほうも怒鳴られるほうも後味が悪いでしょう。「ここに並んでいます」と事実だけを「指摘」するほうが良いと考えます。それでも相手が「何いってんの?」というような態度に出た場合は、さて・・・

なお、感情を振りかざすときは、常に自分なりの客観的な基準を作っておいて、その基準に照らし合わせて振りかざすようにしましょう。同じ事象に対して、昨日は機嫌がいいから怒らないでおいて、今日は機嫌が悪いから怒る、というのでは、部下はついてきません。

次回は「叱る」と「怒る」について考えてみたいと思います。

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