20年間通い続けた上智大学の社会人向け講座が終了したお話。
大学生の頃、あまりに大学がつまらなくて、単位も比較的簡単に取れたことから、「3年で卒業したい!」とずっと思っていた私でしたが、ひょんなことからその母校に36歳から再度通い始め、現役時代の4年間の5倍、20年も通学しました。
母校でもある上智大学のコミュニティカレッジ(という社会人向け講座)で、一貫して経営学の小林教授に師事していたのです。
1999年の夏、「30代半ばになったが、会社しか知らない人生っていいんだろうか」と何か行き詰まりを感じた私は、それまで関心がなかった上智大学のコミュニティカレッジのパンフレットを取り寄せてみました。つらつら眺めると「分かりやすい組織行動論」という講座が目に飛び込んできました。「リーダーシップ」などの研修の開発に苦労していた私は、「これだ!」と思い、申込、1999年10月から通うこととなりました。
授業が面白かった、勉強になったとともに、何となく、クラスメイトに関係が生じて来て、だんだんと仲間ができ、小林先生の講座だけ、なぜかどんどんリピーターが増え、いつもほぼ同じメンツで5年、10年と年月を重ねることとなりました。(どうも、上智大学公開学習の講座の中でも唯一の不思議なクラスだったようです。10人以上が毎回登録し、リピーターだらけ、というのは。これもひとえに小林先生のお人柄です)
そんなわけで、長く経営学、組織行動論を幅広く学んできました。(と言っても、仕事終えてからの夜の授業なので、睡魔と戦うこともしばしばでしたが)
社会人向け講座は、春季と秋季の2季制。春季、秋季、それぞれ「読み切り」「10-12回完結」タイプが多い中、小林先生の講座はリピーターが多くこともあり、毎回異なるテーマで、シリーズ化された講座がだんだんとシリーズ化されていきました。(もちろん、ある季だけ参加しても理解はできるように毎季、小さくは完結しています)
数年前は、「ピータードラッカーの本を教材にドラッカーが解く経営」を深く学ぶシリーズが何季か続いたこともあります。「リーダーシップ」や「モチベーション」や、「アメリカの経営」や「伊能忠敬」や「二宮尊徳」や様々なことやひとを通じて経営学、組織論を様々な角度から学びました。
そんなに長く通った大学ですが、先日2019年12月19日が最後のクラスでした。
上智大学が、社会人向け講座の事業撤退を決定されたようで、今季を持って全講座終了となったのです。ああ、悲しい。
2019年10月からの最終講座のテーマは、「組織論―近代化と組織」(全10回))でした。
近代化、産業化(工業化)により、組織が巨大になり、官僚制組織が中心となっていた・・・ということをいろいろな角度から学ぶものでした。面白いかった!
実は、これ、続きが予定されていたのですが、公開講座事業自体が終了と決まったことで、「組織論」の続編は実現しないことに。なんとも残念。
ところで、20年間、通い続けた講座では、様々な出会いがありました。
「越境学習」は大事だとか言いますが、会社の中、あるいは、業界の中で閉じていたら決して出会うことのない方たちと出会い、様々な価値観、考え方、働き方、人生に触れることができました。
たくさんの友達もできました。
中でも、大勢にうらやましがられるのが、プロレスラーの山本小鉄さんと出会ったことです。2008年の講座から2年ちょっとご一緒しました。
小鉄さんは、新日本プロレスの指導者として活躍なさっている中で、「学校に通って勉強してみよう」と思い立ち、奥様の母校でもある上智大学の「経営学」の講座を受講されていたのです。いつも私の右斜め後ろに陣取り、まじめにnoteを取っていらっしゃいました。
私たちは教室外でもよく活動していて、たびたび課外授業と称して、講座で学んだ人の足跡を尋ねる「大人の遠足」をしたり、その後は必ず月島でもんじゃを食べたりしたものです。様々な業界の様々な年齢の方と知り合い、週に1回、仕事とは全く異なる空間、人間関係の中で何かを学んだことは、私にとってとても意味のあることだったように思います。
各大学、社会人向け講座を開催しています。母校でなくてもだれでも受けられるので、いろいろな大学を検索してみてはいかがでしょうか?(「各大学の公開学習」だけのポータルサイトもあります)
半期数万円というリーズナブルな授業料で、大学の授業が受けられるのはとてもお得です。
MBA講座を取るほどの時間も根性のない!けど、何か勉強したい、とか、会社外の人間関係を作りたいなど「今のままでいいの?」と悩んだりしたいたら、大学、おススメです。
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※小鉄さんのことは、以下に書いています
「あれから1年」
「また逢う日まで」
講座でご一緒している最中に出版されて、大学の授業のことが書いてあるんですよね、この本。(↓)