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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

OJT:自分も知らないことを質問された時の対応

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OJT研修がようやく終了しました。早い企業で3月にはStart。私が担当した中では、8月末が最後でした。(でも、10月配属、11月配属などの企業もあるので、同僚は、まだまだOJT研修が続くようです)

さて、ちょっと間が空きましたが、「OJT」編、続きです。

「自分が知らないことを質問されたらどうしよう?」とOJTトレーナーは悩みます。

一番いけないやり方は、「適当に誤魔化す」です。

適当なウソを教えたり、「たぶん、こうじゃないかなぁー」と答えたり、あるいは、「あ、それ、知らなくても、大丈夫」とか「それ知らなくても、ここでは仕事できるから、気にしなくていいよ」などと言ってしまったりする。これがダメパタン。

では、どうすればよいか。

「知らないんです」「私も経験がないので、わからないのです」とまずは正直に伝えること。

その上で、いくつかの選択肢があります。

1.OJTトレーナーが調べて教える
2.トレーニー(若手社員)に「調べ方」を教え、自分で調べさせる
3.社内の有識者のところに、OJTトレーナー、トレーニー揃って出向いて教えてもらう
4.社内の有識者のところに、トレーニーだけ行かせて教えてもらってくるようにする

その他にも方法はありますが、4.について、先日、非常に盛り上がったので、その話を書きます。


4.社内の有識者のところに、トレーニーだけ行かせて教えてもらってくるようにする

このためには、まず、OJTトレーナーが「社内の有識者」を知らないといけません。「あの人に聞けば分かる」「あの人なら答えてくれそう」という人脈が必要です。そして、その「社内の有識者」にトレーニーを一人で行かせるためには、前もって、「社内の有識者」に一報を入れておきたいところです。「うちの新入社員が質問しにいきますので、対応お願いできますか」などと言っておくことです。

そして、その次が肝心ですが、トレーニーが「社内の有識者」から教わってきたら、OJTトレーナーも知らなかった内容なのだから、「教えて欲しい」とトレーニーに依頼するのです。

「この際だから私も勉強したいので、教えて」と。

そうすると、トレーニーは、先輩であるOJTトレーナーに対して、「社内の有識者」から教わってきたことを伝えることになります。

これが正確に再現できるかどうかはわかりませんが、トレーニーにとっては、自分で誰かに説明するプロセスを経ることで、より理解が深まり、不明点も明確になることでしょう。

OJTトレーナーもトレーニーの疑問から発見できた「自分の知らない知識」の穴を埋めることができるというわけです。

この話がなぜ盛り上がったかというと、OJTトレーナーがこんな風に感じたからです。

「これまで、OJTというのは、自分が何かを教えてやらねばならぬ、と思っていたけれど、トレーニー(新入社員)が習ってきたことを教わる。教えてもらうというアプローチがあるとは目からウロコだ。これ、いい、やってみたい!」

互いに学んで成長すればよいわけですよね。

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この本、とてもよかったです。2回は読みました。

 

買ったけれどまだ読んでいない本。

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