OJT:「これをやってほしい」ばかりでなく、「やりたいこと」に耳を傾けたい
5月のGW明けから各社のOJTトレーナー研修に全国行脚中です。ブログを書く精神的余裕があまりなく、ご無沙汰しておりました。
先日、OJTトレーナー研修を担当した企業で、最後の最後に、「実は田中さんのブログ、たまに読んでますよ。最近更新ないですけど」と言われ、どひゃーと驚くとともに、「リアル読者だ!」と感動したので、その勢いで今日は書いてみます。
OJTネタがかなり溜まりました。少しずつ紹介していきますが、いやぁ、皆さん、とても面白いことを考え、素敵な発言をなさいます。
感動してしまうことも多く、ぜひ多くの方のOJTに役立てばいいなぁと思い、ちょこちょこと紹介していきますね。
先日、百貨店様向けにOJTトレーナー研修をしたときのことです。
最後の最後に「新入社員と向き合う中で、OJTトレーナーとして自分が気を付けたいことは何か?」を話し合っていた時、こんなことをおっしゃる若いトレーナーがいました。
「考えてみたら、私たちトレーナーって、後輩に"あれをしてほしい""これをしてほしい""こうなってほしい""こう育ってほしい"はたくさん考えるし、彼らに伝えるけど、トレーニー(新入社員)自身が"こうなりたい""これをしたい""これやってみたい"について聴くことも考えてあげることも少ないかも知れない。だから、"これをしてほしい"だけに偏らず、"これやりたい"にも耳を傾け、トレーニーの気持ちや考え、想いを尊重できるようにしたい」
おお、凄いなあ。
何に感心したかと言えば、その客観性というか冷静な目に、です。
OJTトレーナーに初めて任命された人というのは、往々にして、「何をすればよいの?私はどうすればよいの?」と自分がすべきことに集中してしまうのですね。これは当然のことです。
それが、「自分たちがこれしてほしいを伝えて押し付けるだけじゃなくて、後輩のこれしたい、これやりたいをちゃんと聞いて、バランスとっていこう」と思うというのは、凄い客観的な視点だなと思うのです。
私が初めてOJTトレーナーを担当したのは、2年目のことで、まだまだ全然仕事できてないし、仕事というものがどういうものかもわかっていないのに、先輩風吹かせて偉そうにいろいろ指導していましたっけ。
自分が入社以来担当していた(させられてきたと感じていた)、いわゆる「新人仕事」をやっと手放せる!後輩に渡せる!と思ってウキウキしていたので、とてもじゃないけれど、「後輩のあれやりたい、これやりたい」に心を砕くなど思いもよらなかったなぁと、今頃反省です。
OJTトレーナー研修というのは、現場での学びを促進し、現場での成長支援に関わる人びとのこういった生きた言葉をたくさん収集できる場で、本当に好きな仕事の一つです。
ライフワークになったOJTのお手伝い。
博報堂の白井剛司さんほどの「ヘンタイ」(※)ぶりには足元にも及びませんが、「OJTマニア」くらいは名乗れるかなと思っています。
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自称OJTのヘンタイ、白井さんが書かれた素敵な本を紹介します。
(ヘンタイは、褒め言葉です)