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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

上司も部下に相談すればいいのにね。

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管理職とかリーダーの研修で、「部下やメンバに相談してみればいいのに」といったことを述べますと、「え?」「えー?」という反応が来ることがあります。

「はい、私はすぐ相談しちゃいますよ」と言う方もいらっしゃるのだけれど、案外多くの方が、部下に相談していない。

以前こんな話を聴いたことがあります。(本にも書いたので、読んだことある、と思う方もいらっしゃるかも)

「上司から大きな仕事のカタマリが下りてきて、自分で一生懸命細かく分けて、そこからメンバに"あなたはこれ""あなたはこれ"と渡していたけど、その作業自体も負荷が高く、大変になってきた。ある時、大きなカタマリをほぐさないまま、メンバを集めて、"こういう仕事がやってきたんだけど、どうしよう?"と言ったら、メンバが、"こことこれを切り出して、こっちは私がやりますよ""だったら、それは私が"と、あっという間に全員で分担が決まってしまった。なんだ、相談すればよかったんだ、と思った」


この方は30歳くらいのリーダーでした。メンバに相談する前に、全部自分で決めちゃおうと思って頑張っていたらしいのですが、もっと部下の能力とか経験とかやる気を信じて、早くから相談すればよかったと反省していたのでした。


この話をすると、多くの方が、「そうかー、相談すればいいのか」と目からうろこみたいにおっしゃるのですが、部下がたとえ新入社員であっても、相談してみるのは手だと思います。

だいたい、人は、誰かに相談されると嬉しいもので(そうじゃない人もいますが)、相談されるというのは、頼りにされている証拠でもあり、だから、奮起することが多いはず。

マネージャもリーダーも一人で孤軍奮闘せず、部下なりメンバなりに相談を持ち掛けてみたらよいのです。

報連相は部下のものだけじゃないってことですね。


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平木典子さんと金井壽宏さんの共著であるこちら、いい本だなぁと読んだ時思ったものでした。
(どこが?というのは、もうすっかり忘れてしまったのですが)


唯一覚えているのが、「アサーション」を学ぶことは、「リーダーシップ開発の一つだ」的なことが書いてあったこと。なるほどーと思ったものでした。

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