「女性は優秀ですよねぇ。成績だけで採用すると女子ばっかりになっちゃうんで、ごにょごにょ」という謎のコメント。
東京医大が女子受験者の足切り点数を男子学生と変えていて、入試で不利になるようなことがあったというNEWSが流れ、皆さん、怒っていますけれども、それはそれとして、
以前から入社試験では、こんなことを言われることが多く、それも同じ話だよね、と思うわけであります。
「女性は優秀ですよねぇ。だから、たとえば、新卒採用で、成績だけで採用しようとすると女子ばっかりになっちゃうんで、バランスとるために、ごにょごにょ」
「バランスとるために、」の後に何があるのか知りませんが、
この話、よく聴きます。
そして、こういう話をされるのは、とても天真爛漫に、
「女性、優秀!」と褒めている文脈なのです。
採用試験では「不合格」にしている、ってことを言っているのに。
成績だけ、という部分は、「ペーパーテストや論文」とか「学業成績」とか「グループ面接」とか、あらゆる試験や選考要素を含んでいるわけなのですが、どんなにテストしても、女性が上位を占めてしまうので、
「バランスをとるために、」
最後の最後に、「性別」という選考要素を入れている、と言外に言っている!
・・・だって、女性ばかりにすると、いつ結婚で辞めるかわからないし、産休育休で戦力外になるかわからないし、雇う側は困るわけですよ、といいたい気持ちもわかりますけれども、労働人口がどんどん減っていっている中で、女性活躍推進とかなんとか言っているのであれば、女性が結婚で辞めなくて済むように、あるいは、産休育休が次々やってきても、組織が回るようにすればいいんじゃないかと思ったりします。
私は、均等法初年度世代で、同年代は、子供を持たない選択をした人がとても多く(私の周辺では)、女性の地位向上のために(そんなことは意識していなかったと思うけれど)、ほんとうにとても頑張ってきたのだけれど、法律施行から30数年を経て、今でも、平成が終わろうとする現代でも、入試も入社も「入口」で「女性」という要素一点において門前払いされるとしたら、30年くらいじゃ世の中、完全には変わらないんだなと絶望しそうになりつつ、いや、しかし、それでも、まあ、30年前と比べれば、女性が声高に、あるいは、男性も声高に、「それ、おかしいじゃねーか」と言えるようになったのは、30年分の進歩ではありますね。
牛歩なみのスピードであっても、女性も男性も自然体で幸せなWorkとLifeを送れるように、次の元号の時代にはなっていますように。
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この本を読んでて、最も衝撃的だったのは、かの有名企業の女性の「定年」が「28歳」だった時代がある、という記述。
え?え?今、なんて?と、同じページを5回くらい読んでしまった。
大久保さんの本は、いつもの大久保さんらしさ満載です。(と、意味不明な紹介。)