新入社員研修で私が心がけていること③ 敬語で話す
新入社員研修では、ビジネスマナーとして敬語や電話対応、名刺交換、接遇なども学びますが、中でも新入社員が苦労するのは、敬語です。
「人事の人がそう言っていたー」
「人事部の方が、そうおっしゃっていた、ですよー」
プレゼンで、
「俺が・・」
「わたし、が、ですね」
と、まあ大したことはやっていないのですが、そんな指摘をいちいちしています。
学生言葉とか友だち言葉から、社会人らしい言葉遣いに修正していくのは、それなりに苦労するようです。
以前、「来客対応」の場面を再現していただいたら、
「いらっしゃいませ、こんにちは~♪」
と元気に挨拶していたので、
「ファーストフード店じゃないんで・・・そういう言い方はしないかな」
と教えたこともありました。アルバイト用語としての敬語(時に妙な敬語)はある程度使えても、接客の場面での限られた言い回ししか知らないケースも多いものです。
さて、とにかく、新入社員の彼らにとっては、敬語は鬼門のようで、本当に尊敬語と謙譲語がうまく使い分けられません。
そんな中で、講師が年長者だからといって、ラフな言葉を使うと学ぶチャンスがなくなるので、私は、きちんと敬語で話すようにしています。単なる丁寧語ではなく、尊敬語や謙譲語も使います。
受講者は、娘や息子みたいな世代ですが、それでも、クライアントでもありますし、企業人としてのリスペクトは年齢に関係ありません。
「今朝、●●さんが××とおっしゃっていましたが」
「先ほど、××さんが●●と発言なさっていたように」
「いつまでに提出できますか?」
「その時間までお待ちしてればよろしいですよね?」
などなど。
講師が内製の場合でしたら、受講者は自社の後輩でもあるので、
「今朝、●●さんんが言っていたけど」
「さっき、××さんが●●と発言したいたように」
「いつまでに提出できる?」
「その時間まで待っていればいいのね?」
といった言い方もありでしょうが、私は、外部講師として各社にお邪魔していることもあり、敬語について耳を慣らせてほしいという気持ちもあって、あくまでも敬語です。
英語だって、英語圏にどっぷりつかった方が学べると言いますし、
敬語も同じように、敬語圏につかるほうが学びやすいと思うのです。
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ちなみに、敬語を気にするあまり、なんでもかんでも「させていただく」と言うようになることがありますが、しつこいので、「いたします」と言い換えるようにと教えています。
「これから、●●についてお話させていただきます。まずは、●●についてご紹介いたします。次のページに進ませていただきます。ご質問を受けさせていただきます。・・・」しつこいんですよね。
「いたします」と言ってしまったほうが、潔いので、「させていただく」必要がない限りは、「いたします」「します」と言うほうがスマートだと伝えています。
それと、「すみません」ではなく、「ありがとうございます」とか「かしこまりました」とか、なんでも「すみません」で片づけないように、とも。