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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

「俺たちの若いころは育ててなんかくれなかった」の後になんと続けるか。

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OJT研修を実施しています。あちこちの企業のお邪魔して、2017年度新卒新入社員のOJTを担当するトレーナーを対象とした研修です。(時々、さらにその上司向けの研修もあります。なんといっても、育成の最終責任は、管理職にあるわけですから、OJTトレーナーをに任命したからといって、管理職が"育成"について無関心でいるわけにはいきません)

OJTトレーナーにせよ、上司層にせよ、40代50代の中に、時々、

「俺たちが若いころは、育ててくれなかったよな」

とおっしゃる方がいます。

そのあと、どう続けるかは2種類に分かれます。


1.「俺たちが若いころは、育ててくれなかったよな。イマドキの若いヤツは甘やかされている。なんでも準備してもらって、育成の計画も立ててもらって、先輩にあれこれかまってもらえて、そんなんだから、自立・自律しないし、いつまでも仕事に対して、真剣になれないんじゃないか」


2. 「俺たちが若いころは、育ててくれなかったよな。でも、今はこういうOJT制度が準備されていて、いいな。ちゃんと計画的に育てようとするのって、結果的には新人にも組織にとってもいいことだよね」

2番目の発言の場合は問題ないのですが、1番目の発言の場合、むむむ?と思ってしまいます。

これを仮に50代が発言しているとしましょう。
彼等が言う「俺たちの若いころ」というのは、当然30年くらい前の時代です。1980年代ですね。

30年も前のことを引き合いに出され、「俺たちは教えてくれない環境で這い上がった」などと言われても、若手はピンと来ないし、そんな古い時代と比べられても、と思うに違いありません。

考えてもみてください。

1980年代に入社した今の50代が、入社した1980年代に

「俺たちのころはよかった。イマドキの若者は甘やかされている」

などと1950年代を引き合いに出されたら、どう思うでしょうか?

もはや戦後ではない、と言われた1950年代と比較され、「甘いよ」と言われても、「そんなこと、知らんがな。世の中、どんどん変わっているんだから、それに、変化しているのは、私のせいではないし」と抵抗を覚えたに違いないと思うのです。

だから、ですね。

「俺たちのころは、そんな制度なかった。それに引き換え、・・・(ネガティブコメント)・・・」

というのは、やめた方が思うんですよねぇ。

あと、「明確に誰かが自分について育ててくれたという事実はなかったかもしれないけど、社会全体で育ててくれたでしょ?」とも思うのです。寛容な社会、寛容な顧客、一緒に考えてくれた顧客、先輩、、、、。その他さまざまな環境のおかげで、若手が自然に育った時代であった、だから、社会全体で育ててくれたということを忘れてはいけないのです。


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博報堂の白井さんが書かれた本です。OJTの現場の実践例としてはこの本の右に出るものはないでしょう。

田中が書いた「人を育てる本」です。電子版のみ生き残り中。企業事例が100以上載っている、いい本なんだけどなぁ。(自画自賛

これはロングセラーです。経団連の皆様、長年ありがとうございます。

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