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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

あなたは「いい上司」?それとも、「どうでもいい上司?」

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最近、管理職とかリーダーとかOJTトレーナーといった、どちらかといえば、他者を指導する立場にある方と話していて、企業を問わずに起こっている現象があります。

ズバリ!

言えばいいことを言わない!

です。

フィードバックするのは上司や先輩の仕事の一つだと思うのですが、言わない。

たとえば、

「うちの新人が、俺だけじゃなくて、上司にも時々ため口を聴いていて、すげーと思ってるんだよね」

なんてことを話すOJTトレーナーに、

「それ、ちゃんと注意してます?」

と言うと、

「いやぁ、言ってもショーがないかなぁと思って、あきらめてます」

とおっしゃる。

「言われたことはきっちりするんだけど、それ以上のことまで踏み込んで対応しないのが気になっている」

と言うリーダーに、

「言われたこと以上のことにも取り組んでね、って言ってます?」

と言うと、

「ああ、まだ言ってないです」

とおっしゃる。

問題視していないわけではなく、問題視はしている。

問題だ、とは思えば、次のアクションは、「指摘する」だと思うのだけれど、

●言ってもショーがないかなーと思って

●言わなくてもわかるかなーと思って

●言っても効かないだろうなぁと思って

●言い方もわかんないから

などという理由で、言わない人がなぜか増えている・・・気がする。


言わなきゃわかんないよー、

部下や後輩だって上司や先輩にそう思われているって思っていないかもよー、

と思うのですが、

皆こんな風に腰が引けているのは、何なのだろう?

1つは、

●パワハラと思われたくない、セクハラと思われたくないという「ハラスメント恐怖症」

次に考えられるのは、

●相手の成長に大して興味ないという「勝手に育ってね=ホーチング」

・・・

そうそう、以前、ある方が言っていた言葉。

「いい上司」「いい先輩」は、


「どうでも」が頭に着くことがあるよ、と。

「どーでもいい上司」

「どーでもいい先輩」

になったらあかんぜよ、と。その方は教えてくれた。


部下や後輩から見て「どーでもいい存在」

部下や後輩を見て「どーでもいいや」と思う自分。

「どーでもいいですよっ」というのは、だいたひかるのネタだけど(あ、元気かな?)、
好ましくない行動については、「どーでもいいですよ」という対応、あまりよくないと思うわけです。

ここでこの話が終わると何の役にも立たないので、一つTIPSを。

こういう「言えばいいのにぃ~♪」な方の共通項はもう一つあって、「適切な言い方が思いつかない」だったりする。

良く聴くと、「叱るのって嫌だ」「キツイ言葉で言いたくない」など、問題行動に対しての指摘=叱る、怒る、と
思っている節がある。

「えー?ふつうに"指摘"したらどうですか?」

というと、

「どうやって?」

と訊かれる。

「『上司にため口きいてたよ』とだけ言えばいいんじゃないですか?それ、怒っても叱ってもいないですよね。"事実の指摘"だけ」



「そんなんでいいんですか?」

「だって、今は何も言ってないんですよね。 『ため口だったよ』というだけでも一歩前進では?それに、指摘されないから気づけないってこともあるかもですよ。
単に、『こうだよ』『こう見えるよ』って言ってあげればいいと思うんですけども」

「そんな簡単な言い方でいいんだったらやってみよう」

・・・

「あかん」と思う行動を叱る!注意する!などと思うと、力んでしまうけれど、
普通に「指摘」してみたらどうかな、と思うのです、はい。


お試しあれ。

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「褒める」「叱る」本は数あれど、「フィードバック」についての書籍はさほどなさそう。

鏡のように映し返す、というようなニュアンスがフィードバックという言葉にはありますよね。

 

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