彼女の家に電話したら、お父さんがでてアワアワした、という経験ができたのは貴重だったかも。
今年(2016年)の新入社員研修で、初めて、
「電話の取次ぎって初めて経験したー」
という人たちに出会いました。
昨年2015年までは、「取次ぎはしたことあるけど、最後が中学生くらいの時」という発言はありましたが、今年初めて、「全く取次ぎの経験がない」「固定電話を触ったことがほとんどない」という人たちがたくさん出てきたのです。(1年で大きく変わるわけではないのでしょうが、今年は「初めて取り次いだ!」という声が沢山聞かれました)
彼らは、電話をとても怖がります。
ある新入社員は、人が電話対応のロールプレイを見ているだけで、
「おれ、吐きそう。見ているだけで、吐きそう」
と言っていました。
恐怖のマシン、電話機。
考えてみれば、私も最近、ほとんど電話かけませんし、かかってくることもありません。
家の固定電話も捨てたいくらいなのですが、どうやって廃棄すればよいのかもわからないので、そのままにしています。
何かの問い合わせをしなければならない時も「メールアドレスないかなぁ」とつい探してしまいます。
直接話すのって面倒だし、時間も配慮しないといけないけれど、メールだったら、自分ペースで送ればよいし。
最近は、お客様にもめったに電話しなくなりました。(私は、です。営業はよくTELしてます)
時々、メールの返事の代わりにTELすると、ものすごーくびっくりされて、「え?何かあったんですか?あ、メールの返事ですか?びっくりしたー」と言われることも。
53歳でもそんな感じだから、20代でびびってしまうのは無理もないでしょう。
「若いヤツが、電話の取次ぎもできない!」
とか
「若いヤツが、メールに件名も入れて来なくて、まるで、LINEと思っているみたいだ!」
などと嘆いた揚句に、
「常識がない」「なんてよわっちいのだ」みたいなことを言うのは、言っているほうが、変化に適応できていない気がするのです。
「経験がなかったんだよねぇ」と受容すればよいだけで、"非常識"というのとは違いますよね。
だって、時代ごとに常識、違うし。
そんなこと言ったら、もっと上の世代(たとえば、今の6-80代)に、
「御礼状をメールで出すなんて!」
とか
「手紙を万年筆で書けないの?」
なんて言われる場面を考えてみたらいい。
自分だって、昔のツール、使わないし、使うの、困難を伴うでしょう?
「常識」は人の数だけあるのですよね。
・・・・・・
そういえば、
イマドキの若者は、
「彼女のうちに電話したら、お父さんが出てしまって、アワアワ、アワアワ」
という経験をしたことがないんですよね。
「彼から電話かかってくるかもー」と電話線をお風呂の近くまでひっぱっていた
という経験をしたこともないんですよね。
あれはあれで、スリル満点で、楽しかったですね。
親なんて欺いてナンボ、なので、
親の目を盗んでこそ、なので、
ああいう経験は、得難いものだったかもしれないと思うのです。
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ダイヤモンドオンラインで、若者と電話のお話を見かけたので、最近思い出していたことを書いてみました。