人が育つことに対して寛容でありたい。
あちこちで、新人とおぼしき若い人たちが、現場に出て、遠くで近くで「あきこ姉ちゃん」(※1)的に先輩が見守っているという状況によく出くわします。
新人が配属され、現場に出てくる季節になりました。
先日、JR西明石駅で新幹線チケットを購入しようとしたら、窓口に「トレーニング中」というバッヂを付けた女性と後ろに「あきこ姉ちゃん」が立っていらっしゃいました。
私がちょっとややこしいお願いをしたところ、新人さんは、ほんの少し戸惑ったようでした。
「西明石から通路側で新大阪まで。新大阪では、新大阪始発の、窓側ののぞみで東京まで。新大阪始発にしてください」
・・・うーん、としばらく悩み、最初、「新大阪始発を待つと、新大阪で30分以上乗り換え待ちがありますが、よろしいですか?」と訊かれ、「そんなに待つなら、福岡のほうからくるのぞみでもよいです」と応えました。 「あきこ姉ちゃん」が何か小声でアドバイスしていましたが、どうやら、新大阪発がその日に限ってもっと早い時間にあったようで、
「あ、乗り換え9分で新大阪始発、あります!」
ということになり、無事発券してもらえました。
この時、「あきこ姉ちゃん」は、言葉でアドバイスはするものの、決して手を出しませんでした。
私としては、慣れた駅員さんよりうんと時間がかかったわけですが、この人が成長するには、このプロセスに付き合う客も必要な存在だ、と思っているので、じっとニコニコと待っていました。
最後に「大変お待たせいたしました。・・・でございます」と非常に丁寧に、そして、心籠ったお礼を言われたので、なんだか気分よく、新幹線に乗ったものでした。
素敵な駅員さんになってくださいね。
ホテルでも似たようなことがありました。
フロントでチェックインする際、やはり、「トレーニング中」の名札付けた若い方と、後ろに「あきこ姉ちゃん」が。
この時も私が少々ややこしいことをしたため、トレーニング中の方は、混乱しかかっていましたが、一つ一つ丁寧にこなしていました。
事前にホテルに荷物を宅配で送ってあり、さらに、チェックインした際に持っていた別の旅行鞄をフロントに預け、そのまま部屋に入らず、いったん外出します・・・。戻ってきたら、全部の荷物を自分で部屋に運ぶのでよいですか?・・・みたいな話をしたので、平常通りの「チェックイン手続き」だけではなかったわけです。
「あきこ姉ちゃん」のアドバイスなどもあって、無事、全部に対応してくれました。
人が育つためには、時間がかかります。
失敗もすれば、失敗しなくても時間がやたらとかかることもあります。
これに付き合う誰かが必要です。
1人は、あきこ姉ちゃん的存在です。(通常、上司やOJTトレーナーなどがこれにあたります)
もう1人は、お客さんをはじめとする社会です。
自分もかつて大勢に許してもらいながら育ったのです。(許されて来た過去について、人は無自覚ですが)
自分が大きな大人になった時、今度は、若い人が育つ場面に付き合ってあげることが大事です。
そして、寛容であること。これに尽きます。
(※1 あきこ姉ちゃん:星飛馬のお姉さんです。解説になっていない^^;)
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なかなか「重版出来!」とはなりませんが、絶版にもならずに、細々と販売され続けています。
「重版出来!」の夢を見ますが、こればかりは、難しい。
良著です。(自分で言うな!w)