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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

新入社員研修の風景②:「テキスト忘れたんですけどぉ」「納期に間に合いそうもないんですけどぉ」への対処法

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毎年似たような話、あるいは、同じ話を書いているのだけれども、大切なことなので何度でも言います(笑

新入社員の「報連相」というのは、たいていの場合「なってない!」のです。

たとえば、自宅に持ち帰ったテキストを翌朝持参し忘れて、講師や人事の方にひとこと。

テキスト、忘れたんですけどぉ

たとえば、15:00までにチームで成果物をまとめて提出してくださいね、という指示に対して、15:00ちょい過ぎにやってきて、

納期に間に合いそうもないんですけどぉ


こういう時、人生の先輩である私たちは、「そうか、テキストを自宅に置いてきてしまったのね。それじゃあ、受講するのに困るだろうから、この予備の1冊を貸してあげようかな」とか「そうか、納期に間に合わないというのなら、15分くらい延長しようかな」などと、受講者が言葉にしていないことを"忖度"してしまい、こんな風に言ってしまうことがあります。

「テキスト、自宅に置いてきちゃったのですね。じゃあ、この予備の1冊を今日は使ってください。明日は忘れ物しないようにしてくださいね」

「じゃあ、あと15分延長しますから、15:15までには必ず提出してください」


・・・ちょっと待ったー。

これ、いかんのです。こういうことをしちゃ。

新入社員が言っているのは、ただ「テキストを忘れた」「納期に間に合いそうもない」だけ。

だからどうしたい、も、
だからこうしたい、も、
だからこうしてほしい、も一言も言っていない。

こういう時、先輩はつい行間を補って解釈して、いろいろ先回りして解決策まで提示しやすいのですが、こうやって相手の言いたいことを忖度して対応するといつまでたっても新入社員は自立しないのです。かえって、誰かが自分の気持ちを推しはかってくれることを学んでしまう。

じゃあ、どうするか。
私は、かなり意地悪ばあさん的対応をいたします。

「テキスト忘れたんですけどぉ」
「ほぉ、テキストを忘れたんですね」
「テキストがないんです」
「なるほど、ないんですね」
「どうしたらいいですか?」
「どうしたいんですか?」
「テキストがあればいいなぁと」
「だから、私に何をしてもらいたいのでしょうか?」
「貸してください」
「最初からそれをきちんと整理して伝えればいいですよね」
「はい」

・・・みたいな。

「納期に間に合いそうもないんですけどぉ」
「そりゃ困りましたね」
「だから、延長してもらえませんか」
「仕事だったら、そういう言い方しますか?」
「延長をお願いできないでしょうか????」
「延長の前に、説明することありますよねぇ」

・・・・ってな具合に。

新入社員は、たいていの場合、「起こっている現象」だけを口にします。
「だから何」
「だからどうしたい」
「だからどうしてほしい」
も言わないし、
「申し訳ない」
「ありがとう」
でもないし、
「相談なのですが」
「報告ですが」
といった前ふりもない。

こういうのは、訓練なので、上司や先輩や講師は、「物分かりの良い人」にならず、「忖度」もせず、ただ「それが何か?」「言いたいことをまず言ってください」と対応していくと、徐々に言いたいことをまとまった文章で伝えてくるようになります。

学生時代は単語だけでも会話が成立したかもしれませんが、仕事ではそうもいきません。

いぢわるばあさん上等!
いぢわるじいさん上等!

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