「自分の気持ちを他者に伝えようと努力する」と「自分が本当に何を考えていたかも分かってくる」というお話。
先日(2015年6月17日(水))、勤務先で、人事・人材開発担当者向けのコミュニティ活動「OJT茶話会」(注1)第15回目の会合がありました。
2011年6月に開始、5年目に突入。今回は、ユニークな採用でHR界隈ではチョー有名な三幸製菓の杉浦二郎さんをお招きし、「ユニークな新卒採用」をどう考えて、構築したか、を1時間みっちりお話しいたただきました。その話を受けて、参加各社の方が議論、情報交換するというものです。
三幸製菓さんの取組み、非常に興味深く、というか、とても勉強になりました。このイベントについては、また追ってレポートしたいと思います。
さて、この「OJT茶話会」。前回は2015年2月25日に開催し、サイボウズの話題の動画「大丈夫」の企画意図とか社内外の反応などを、大槻幸夫さんにお話しいただいたり、JBSで、男性として育休取得3人目になった小田川仁さんの体験談を披露していただいたりしたのですが、この回に参加した方全員が最後に「今日の話を受けて、私は、これをやってみる!」とコミットして解散しておりました。
そこで、今回6/17の「OJT茶話会」の冒頭では、前回の「コミット」がどうなったか、を一人ひとり報告するところからスタートしました。
一番「ほほぉ~」と思ったのが、あるワーママの気づきです。
彼女は、前回、小田川さんのプレゼンの中で「妻も夫に何をしてほしいのかちゃんと言ったほうがよい! 家事や育児にもOJTだ!」と力説されていたのを受けて「私も、もう少し夫や家族にしてほしいことを伝えてみます!」と帰っていかれたのですね。
その後3ヵ月経過し、どうなったか?
以下、彼女の報告です。
「前回のコミット通り、家族には、してほしいことを伝えてみるようにしました。 言ってみたら、意外に家族は協力してくれて、なんだ言ってみればよかったんだ、と気づきました。そして、"こうしてほしい""ああしてほしい"と口にしていく中で、自分自身も、"私は、これを望んでいたんだ""私は、こうしたかったのだ"と自分の考えや想いを改めて発見することになりました」
この気づき、非常に面白い!
「他者に何かをしてほしいと伝える」ことで「他者(この場合は家族)がその気持ちを理解し、協力してくれる」というのは、想像に難くないところですが、
「これをしてほしい」と口に出すと、自分の本当の気持ちを改めて理解できた、というのは興味深い発見ですね。
自分の気持ちなんだから、自分が一番よくわかっているようでいて、実はそうでもないんですね。
自分の気持ちだと思っていることを、言語化して、自分の外に出してみることで、その言語化されたものを自分が見たり聞いたりし直し、「ああ、私ってこんな風に想っていたのね」と発見するってことですよね。
「思っていても言わなきゃわかんないよ」と、人は他者に対して思うものですが、
「思っていても言わなきゃわかんないよ」という言葉は、「自分自身」に対しても同じなんですねぇ。しみじみ。
非常に興味深い報告をいただきました。
(注1) 「OJT茶話会」という名称について。2011年発足時は、5社8人くらいでスタート。各社OJT制度運用担当の方(主に人材開発担当者)が集まって、各社の実践例を共有し、業界や企業を超えて有機的なコミュニティにしよう、でも、お茶でも飲みながらゆったりと議論できたらいいね、ということで、私が命名しました。「OJTの実践例」も相当数扱ってきた中で、メンバからも「人材開発の幅広いトピックでやりたいなぁ」という声も聞こえてきて、テーマはどんどん多岐にわたるように。これまで、「内定者アルバイト」とか「グローバル人材育成」とか「次世代リーダー教育」とか「人材開発部門の人はどうあるべきか」とか実に様々なテーマについて共有、議論してきました。そろそろ名称を変えようか、と持ちかけたものの、これといった「ステキな名称」も思いつかず、結局、発足当時のまま「OJT茶話会」という、昭和な匂いが漂うような名前でよいことに・・・なっています。
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この「OJT茶話会」のレポートが3本とも完成しました。
●開催日:2015年2月25日(水)
●場所:グローバルナレッジネットワーク株式会社
●参加者:企業の人事・人材開発担当者 10数社
●ゲストスピーカー: サイボウズ 大槻幸夫さん
●メンバスピーカー: JBS 小田川仁さん
●テーマ: 「ワークスタイルを"じぶんごと"で考えよう」
レポート 「色々な働き方があっていいじゃないか」① 「サイボウズ社の取組み」
レポート 「色々な働き方があっていいじゃないか」② 「サイボウズ社"ワークスタイル"動画裏側やその後」
レポート 「色々な働き方があっていいじゃないか」③ 「"育休シテミタ" by JBS 小田川仁さん」
※三幸製菓さんのユニークな採用については、また別途レポートします。