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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

新入社員時代に「ダメダメ」でも一皮むけるチャンスはやってくる。

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絶賛新入社員研修中の田中です。今年もたくさんの新入社員(20歳から30歳くらいまで)と接して、楽しい毎日を過ごしています。講師として新入社員研修に立つ経験は、彼らが配属された後のOJTを担当するトレーナーの方の気分を疑似体験するのに似て、「ああ、こういう時、つい、叱りたくなるんだな」とか「こういう時、ついつい手を出したくなるんだな」(殴る、という意味ではなく、手を貸す、という意味です。もちろん)などと、私自身も日々内省の日々です。

1日が終わると「もう少しこういうやり方をしたほうがよかったのではないか」「もっと褒めたらよかったかもしれない」「あれは注意するタイミングだったか」「気づかせる、といっても、材料がなければ、気づくこともできないし」「かといって、教え過ぎてもダメ出し」と悶々として、また翌日、何かを挑戦している、そんな毎日です。

ドラッカーは、「人に教えることほど勉強になることはない」といったようなことを述べていますが(『マネジメント 中』(ダイヤモンド社) P.66あたりだったと思う)、本当、人に教えるということは、必ず、自分自身との対話に繋がり、いい勉強になります。

「苦労は買ってでもしろ」と昔の人は言いましたが、
指導は買ってでもしろ」と思います、まじで。



ある企業の新入社員研修では、新入社員の皆さんに、「職場、仕事のイメージを持ってもらおう」と考え、各職場の先輩社員による「プレゼンテーション」を毎朝行っています。私達講師・スタッフ陣も拝聴するのですが、これが、非常に面白い! 現場の話って、本当に面白い。お一人お一人のキャリア観、仕事観もとても興味深い!

ある日、共通項があることを発見しました。多少自虐的におっしゃっているのだとは思いますが、どの先輩も、口をそろえて

「新入社員時代は、ダメダメだった」

とおっしゃるのですね。(「ダメダメ」という言葉はおつかいになっていませんが、「言われたことをしてればいいと思っていた」「特に将来の展望もキャリア意識もなかった」なんてことをお口々におっしゃる)

「3年とか5年経った時、意識が変わった。お客様のためになることをしよう、とか、他社に負けないようにしよう、とか、何か一つでも自分が"一番になれること"を作ろうと考え、勉強したり、努力したりするようになった」

とその後話は続きます。

これ、すごく分かるのです。



新入社員なんて、「仕事がなにものか」「顧客がどんなものか」「給料がもらえるってどういうことか」なんて、ぴんと来なくて当然だと思うのですね。だから、先輩から見たら、舐めた行動をとるかも知れないし、いつまで経っても「お子さまな態度」をしているかも知れないし。

「プロ意識の欠如」などと嘆くかも知れないけれど、「だってまだプロじゃないも~~ん」ってな感じなのではないかと思うのです、新入社員。

それでも、いつまでもそんな風ではいられず、何かのきっかけで、「これではいかん」と自ら気づき、そこで「新たなステージ」に突入するのかな、と先輩たちの話を伺っていてそう思いました。

自分だってそうでしたしね。



・・・というわけで、現在、新入社員の研修を担当している皆様、OJTトレーナーとして新入社員の指導に日々当たられている皆様、そんなに焦ることはないですよ。

「最初は誰だって結構いい加減で、ダメダメ」で、でも、何かのきっかけで「は!」として、自らの行く道を真剣に考えだすのだと思います。

ある先輩に「何が自分のスイッチを切り替えさせたのですか?」と私は質問してみました。

「入社数年後にある研修を受けて、"5年後、10年度どうなっている?"を考える機会があった。あ、このままじゃマズイ、ヤバいと思った」

「同業他社の人と接する機会があって、他社の人のやっていること、考えを聴き、負けたくないと思った」

などという回答を頂きました。



スイッチは誰が入れるのか。

自分自身で入れるしかない。

けれど、もし可能なら、先輩や上司など周囲の人が、「スイッチが押されやすい」環境に置いてやることならできるいのではないか。

よく「当事者意識がない」と嘆く声を聴きますが、「当事者にさせなければ、当事者意識など芽生えるわけはない」とも言え、「ヤバい」「まずい」と自ら思うような場所や状況を作るのは、他者がしてあげられること、、なのかも知れません。



なんてことを考えていて、思いついたのが、「上司や先輩がスイッチ入ったきっかけの体験を語ってあげることの意義」です。

「俺もダメダメだったから、大丈夫だよ」というレベルで留めず、「ダメダメだった俺のスイッチが入ったきっかけは何だったか」までを伝える。

そうすると、「そういうものの見方があるのかぁ」と、まだ職業のスタートラインに就いたばかりの新入社員にも響くものがあるのではないかと思いました。


「先輩による生生しいプレゼン」という研修科目、非常に面白いので、ぜひ、お試しあれ。

(新入社員だけでなく、聴いている旧人もわくわくすること、請け合いです。)



【お知らせ】 @IT自分戦略研究所の月1連載、公開されました。

ぼく、そんなこと言った?

※このエピソードは、最初「計画された偶発性理論」がらみで解説しようかなと思ったのですが、今回は、単に「言った人は意外に忘れている」「自分の言動も誰かに影響を及ぼしているかも」という両面から語ってみました。お読みいただければ幸いです。

【オマケのお知らせ】

「新人時代はダメダメでも・・・」ということを書いている内に、あ、そういえば、新しい研修を始めるんだった、と思い出しました。

自分のキャリアを考える ~原点回帰し、「自分軸」を見つけるワークショップ~

※6.5PDUも付きます。

宣伝ばかりで恐縮ですが、ご興味あれば、ぜひご参加ください。


*フォントが途中で変わってしまったのですが、直し方がわかりませぬ。あしからず(ペコリ

Comment(1)

コメント

ひづくり よういち

>「最初は誰だって結構いい加減で、ダメダメ」で、でも、何かのきっかけで「は!」として、自らの行く道を真剣に考えだすのだと思います。

確かに。「きっかけ」は、お客様の発言であったり、先輩との衝突であったり、上司の叱責であったり、後輩ができたことであったり様々で、何でスイッチが入るか分からない、というのがずっと新入社員研修を担当していての感想です。研修中に何かにハッと気づくのもいれば、現場に出た途端に変わるヤツもいて、様々なものがスイッチになり得るのだと認識したうえで見守るってのが正解かなぁと思ったりします。

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