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紅茶党がコーヒーの本を読んでみた:『戦略は「1杯のコーヒー」から学べ!』から

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永井さんに頂戴した新刊本を読んでみました。(永井さん、ありがとうございましたー)


◆コーラの次は、コーヒーなのかー!! 

私、紅茶党で、毎朝紅茶(ミルクティー)を700mlくらい呑んでいる(365日、おせち料理を食べながらでも!)一方、コーヒーは、苦手でした。 でした、というのは、最近、ちょっとずつコーヒーも飲めるようになったので、一応過去形に。知り合いの”ぐりこーひー”(豆の焙煎やさん。女性です)さんにコーヒーを飲ませてもらったり、ぐりこーひーの珈琲を買って自宅で淹れている内に少しずつ大丈夫になってきました。(でも、ですね、「美味しい!コーヒー」ってのが、実はいまだに理解できないのです。「美味しい紅茶」は分かるのですが。)

・・・という、まずは、自己紹介的コーヒーとの関係性を述べてから、ですね、永井さんの本についてつらつらと感想を述べてみます。

コーラで一世を風靡したら、今度はコーヒーです。

「書評」なんて立派なものではありません。単に「感想文」です。


◆強み、として、お客様について自問自答

この本のちょうどど真ん中を開いてみると、この本のコアと言うべき4つの問いが出てきます。これは、既に他のブロガーさんも触れているようですが、ここでも転記というか、引用というか、掲載しておきます。(正確な引用ではないので、”引用”ではなく、紹介です・・・ね)

●●●ならではの強みは何か?
その強みを必要とするお客様は誰か?
そのお客様は何を必要としているか?
お客様が●●●を選ぶためには、どうすればいいか?

舞台は、「ドリームコーヒー」というコーヒー会社なので、●●●には、「ドリームコーヒー」が入っているのですが、●●●の部分は、それぞれの所属する組織を当てはめて考えてみるといいわけですね。

組織だけじゃなくて、個人を当てはめてもいいだろうなぁ、と読んでました。

たとえば、

私ならではの強みは何か?
その強みを必要とするお客様は誰か?
そのお客様は何を必要としているか?
お客様が私を選ぶためには、どうすればいいか?

これですね、自問自答してみると、答えが分からない! 分からないんですよ。

ああ、かなりショック。

最初の問いでつまずきます。「強み」と思ったところで、「他の誰かでも取ってかわれることだし」といちいち思ってしまう。

私の強みは何だろう? ここで既に頓挫。

こういうことをきちんと考えていくことが、キャリア形成にも大事なんだろうなぁ、と本を膝の上におき、遠い目をしてしまいました。(頑張れ自分)


◆自分に引き寄せて読む

ところで、これを読んでいると、コーヒー、あるいは、それを提供するコーヒーショップを中心に話が進むので、一応、なんとなく「B to C」のビジネスが舞台なわけですが、こういう時、「うちってB to Bだし」「B to Cじゃないし」と捉えた瞬間に思考停止になると思うのですよね。


そういえば、以前、東京大学の中原淳さんがそのブログで「どの会社の人も、”うちは特殊なんです”と言うけれど」とか「事例を紹介すると、”うちの会社とは違う例だし”と言われることもあるんだけれど」(←これはエントリにたどり着けず)といったことを書かれていたのですが、「うちは、コーヒーという食料品を扱っているわけじゃないからなぁ」「コンシューマー向けの製品じゃないからなぁー、うちは」と思わず、この本に限らず、どの本でも、そこに書いてあることを、自分の所属組織や自分自身の仕事に当てはめるとどうなんだろう?と考えてみることは大事だと思っています。

・・・

◆登場人物がことごとくヘンタイ


話は変わりますが、登場人物の名前が面白いのです。

新町桜 (ふりがながないので、確信はないですが、”しんまち・さくら”と読むと思われる)
町田南
永田兆司

・・・関東近郊の方なら、なんとなくわかってきましたよね。

青葉大
渋谷社長
高津珈琲

・・・・・ほらほら、都内で移動することが多い方ならもうわかりましたよね。

・・・で、最後にこの本の担当編集者さん(私も知り合い)から教わり、うへーと驚いたのが、

アサミ・リンカーン

・・・う、これが何かわかった時の感動と言ったら!

というわけで、そういう読み方もできますよ。

あと、もう一つ面白かったのが、最後の最後に一大プロジェクトを立ち上げる際、メンバに抜擢された面々が

古い組織の頭の固い連中に阻まれ、なかなか実力を出し切れなかったメンバーばかりだ。言ってみれば、組織のはみ出し者の集まりだ

とプロジェクトのTOPに言われる場面。

なんというか、水戸黄門的というか、必殺的というか、「ああ、胸がすっとするわー」と思ってしまったのでした。

それにしても、小説だからとはいえ、出てくる人がヘンタイ過ぎて、そういう部分もかなり笑えるビジネス小説です。

珈琲の香りが漂ってくる小説です。コーヒー業界のことも勉強になりますが、どうやって他社と差別化して、自分たちらしさを打ち出していくかという戦略について、そして、人の成長譚としても面白い。

ぜひお読みくださいませ。

※「コーラ」→「コーヒー」と来ましたので、次のシリーズは、「コーンフレーク」かなぁー・・・と勝手に妄想中。


Comment(3)

コメント

実に読み込んでおられて、本当に有り難い書評、感謝です。

TanakaJunko

永井さん、拙文で失礼しましたー。

ひづくり よういち

「美味しい!コーヒー」は「美味しい!コーヒー」を飲まないとわからない気がします。と言って、「美味しい!コーヒー」だけを飲んでいてもわからないだろうと思います。「あぁ、そっか…」とわかるまでに時間がかかるものって実は世の中に結構あって、微妙な違いを認識しようと努力しないと気付かなかったりします。

インスタントコーヒーばかりを飲んでいた学生時代を過ぎ、就職して暫く経った頃、とある喫茶店でコーヒーを頼んだら勘定書きの裏面に「まず、ブラックで味わってください」…「物は試し」と思って試してみると、口の中にふわっと甘味が(え?コーヒーって甘いの?)…続いて微かな酸味といつもの苦みが…この日以来、コーヒーはブラックで飲むようになりました。

学生時代、ジャズバンドにいました。ジャズが好きだったわけではありません。友人に連れられて練習を見学に行ったらベースの先輩がめちゃくちゃカッコ良く見えたからです。自分もああなりたい、と。で、入部して、結果として大して好きでもないのに毎日ジャズを聴く羽目になります。が、毎日同じレコードを聴いていたある日、「あーっ!これ、すげーカッコいい!!」どうしてわからなかったんだろう?

文字(単語)でもって「これはコーヒーだ」「ジャズだ」…と認識して満足しまうと、そこで考えることも感じることもやめてしまう、ということじゃあないかなと思っています。

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