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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

「自分もできていないからなかなか言えないんですよ」などと言わず、言っちゃえ、言っちゃえ。そして、自分もまた気をつけろ。

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新入社員研修が終わり、既に「OJT支援」のほうに仕事がシフトしています。東京、大阪、名古屋を中心として、企業のOJT制度支援+OJTトレーナーの研修を担当すべく、全国を飛び回っています。(というほどでもなく、中心は東京ですが)

さて、OJT担当になる方というのは、もちろん、「後輩をきちんと指導できるだろう」と見込まれた一線の先輩たちです。自薦他薦、企業によってはまちまちですが、「彼・彼女のもとに置いておけばなんとかしてくれるだろう」と見込まれた担当者なんです。

そういう方たちでも、時々、「いやあ、オレもできていないことだから、なかなか注意なんかできなくて」とか「私もそれは出来ていないからしょうがないんだけど」などと言ってしまうことがあります。

わかります!
わかります!

私だって完璧にはできていない。
私だって失敗している。
私だって上司にいまだ怒られている。

それは、どの年齢になっても同じことです。

でも、だからといって

「だから、言えない」

とはならない。

「だから、言えない」

ではなく、

「だけど、それはそれとして、言う」

とならねば、後輩は育たないわけです。

理想なのは、

「まあ、オレもできていないけど、言うわ」とフィードバックし、
その上で、
「できていないってのもまずいので、新人が配属されたのをきっかけにオレもちゃんとするわ」
とわが身をただすこと

ではないかしら。

後輩にあれこれ言うのってすごくエネルギーを使いますし、
それに、「人のこと言えた義理か!」とセルフ突っ込みをしたくもなるのですが、それはそれ、これはこれ。

私が言わなくて誰が言う!

そういう覚悟で伝える必要があるのですよね。

・・・

後輩たちは、

「自分だってできていないくせに」

と思うかも知れないけれど、

「先輩ができていないからといって自分もできなくていいという言い訳にはならない」わけで、「先輩もできていないなあ」と腹の中では思いつつ、
「私はできるようになろう」と捉えればよいのではないでしょうか?

部下とか後輩を指導するという行為は、常に、「お前はどうなんだ?」と突きつけられる体験をすることでもあります。

頑張れ、新人。
頑張れ、OJTトレーナー。

どちらも頑張れなのです。


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