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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

誰かのせいにしても、目の前の問題は一つも解決しないのですよねー、な話。

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先日、新聞の投書欄を見ていたら(結構好きです。いろんな考えや訴えがあるんだなあと知るのに面白い)、こんな趣旨のことを書いている女性がいらっしゃいました。60代。

「私は心から怒っている」から始まり、

「年末年始、娘息子孫も含めて6人が帰省してきて、布団だの食事だのの世話に明け暮れる。離乳食まである。喜んでくれるならまだしも、”これは好きじゃない”など好き嫌いまで言われる。若い世代は仕事続けていて大変だ、一方引退した親世代は金銭的にも物理的にも余裕があるだろう。だから盆暮れくらいは若手ものんびりしたらいい・・・という考えもあるのかもしれませんが、「帰省してのんびりすること」を良いことのように喧伝すすマスコミにも問題がある!」

なんてことが書いてあったのですね。

うわ、すごいぞ。これ。

娘息子の「我がまま」は、「帰省をあおるマスコミ」に原因があるのか!? わお。

・・・・・。

この女性は、書いてポストに投函(または電子メールを送信)したことで、多少、すっきり(カタルシス)したのかも知れませんし、言うほど怒っていないのかもしれませんが、なんか、面白いなーと思いました。

新聞に投稿するよりも、娘息子に、きっぱりと言えばよいのではないのだろうか、親なのだから。

「私は、あなたたちの召使いでもお手伝いでもなんでもない。自分の布団くらい自分で敷け! 飯がまずいだのなんだの言うなら自分で作れ。皿くらい洗え!」

新聞に掲載されても、問題解決しないよねー。

・・・なんてことを考えていたら、ふと思い出した15年くらい前の出来事。

エスカレーターに乗っていたら、後ろで男女の声。同僚同士らしい。

「あたしねー、お箸の使い方が下手なの。親がちゃんと教えてくれなかったから、そうなっちゃったのよね」

「そっすか」

・・・・

エスカレーターを降りて、彼らが私の脇をすり抜けていった時、チラっと見たら、発言者の女性30代に見えまして、「お箸の使い方」に問題があると思うなら、今から学べばよいのでは?と親のせいかなー、とこの時も疑問に感じたのでした。

直す気があれば、練習で直る類のものだと思っているので。
(実際、わたくし、右手が使えなかった時、左手でお箸を持つ練習をしたら、ちゃんと豆でもつかめるようになりました。成人してからです)

・・・・・・・・・

誰かのせいにしたところで、自分の課題は何一つ解決しないのですよね。


ところで、ところで。さらに思い出した出来事。

30年ほど前。

我が家に時々遊びにくる一家があり、超ハンサムな男児2人に私も妹もメロメロで一緒に遊んでいました。当時、たぶん、5歳と3歳とかまあ、そのくらいだったと思います。

男の子同士なので、何かでくんずほぐれつしていたら、うわーと弟の方が泣き出しまして、「大変だ!けんか?」とあわててお兄ちゃんに事情を聴いたら、プロレスの技風なものをかけて、弟はそれがちょっと痛かったらしい・・・。

で、弟クンを「だいじょうぶ?」などと慰めていたら、弟クン、泣きながらこう言ったのです。

「ひっく、ひっく、・・・おにいちゃんが・・・ひっく・・・わざをかけてみたかったのぉ」

・・・・すげー。

「おにいちゃんのせいでいたかった」ではなくて、
「おにいちゃんがわざをかけてみたかったのぉ」なんて。優しい。

痛かった、泣いたことをお兄ちゃんのせいにせず、「お兄ちゃんはトライしてみたかったの」と受容したこの弟クン。3歳ながらあっぱれ。

彼らも30代半ばだろうなあ。もうお目にかかることもないけれど、元気かな?


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