「快楽追求型幸福感」と「向上心追及型幸福感」では同じ「幸福感」でも「免疫力」に差が出るという研究
新聞で面白い記事を見つけ、それを元にネットをぐるぐるしてみました。
UCLAスティーブ・コール博士とノースカロライナ代バーバラ・フレデリクソン博士らの研究だとのこと。
人の幸福感を二つに分けて考える。
「快楽追究型」と「向上心追及型」
「快楽追究型幸福感」とは、「美味しいものを食べて嬉しい」「欲しかったものを買って満足」といったような、いわば、「好きなことをして」「短期的」「目先の欲求を満たす」ことで得られる幸福感。
「向上心追及型幸福感」は、「目的意識や向上心を持ち」「貢献できた」などで生きがいを味わう時」の「長期的」な幸福感だそうです。
前者を”Hedonic”、快楽主義的・・・、後者を”Eudaenomic”(安寧型)と英語では言うようです。
それぞれの幸福感に関係する質問をし、どちらの幸福感が強いかで被験者を分けて、それぞれの血液の遺伝子を調べる。
そこからわかったことは、
●快楽追究型幸福感が優位になっている被験者からは、炎症を引き起こす遺伝子の発現が見られ
●向上心追及型幸福感が優位な被験者からは、免疫力がアップする遺伝子が発現がみられる
んだそうです。
うぉ、凄いぞ。これ。
なぜならば、
どちらも「幸福感」は味わっているんです。自身は不幸だと思っていないわけです。
「ああ、幸せ~♪」 「余は満足じゃ♡」と思っているという点では同じなのに、幸福感の「素」が快楽を追究するタイプだと、身体にはあまりよくなくて、向上心を追究するタイプであれば、身体にもよい、という違いがみられるというのですから。
そうか、そうか。
仕事でもプライベートライフでも大変なことはいろいろあるけれど、「あれが出来るようになりたい」と目指し、挑戦途上では「つらい」ことも多々あっても、乗り越えた結果、「お! 成し遂げたぞっ」「お客さまが喜んでくださったぞ」「世の中に役立つことをできたぞ」・・・「うれしぃー」と思う・・・という出来事を積み重ねるほうが、一時的に、「買い物した、満足♪」「ケーキお腹いっぱい食べた、嬉しい♪」というよりも、「身体にいい」のですね。
なるほどなるほど。
難しいこと、大変なことに挑戦している最中は、それがストレスに感じたりもしますが、その先にある「達成感」「貢献した実感」といったものを目指して、満足を得られるならば、遺伝子レベルでもよい影響をもたらしてくれる、ということを知っていたら、困難なことへのチャレンジも怖くなくなる・・・かも知れません。頑張ろう、自分。
面白い研究です。
★参照 「環境と遺伝子の間」
http://wired.jp/2013/11/28/epigenetics/
★参考 元の論文(in English)
”A functional genomic perspective on human well-being”
http://www.pnas.org/content/110/33/13684.full