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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

「できのいい部下をくれれば、きちんと育てて成果出しますよ」なんて言ってちゃダメなんです、と。

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先日、お客様先の研修の冒頭、社長から講和を頂戴した。そのお話の中で、印象深かったのが、タイトルにした言葉。

こんな趣旨のスピーチ。


「よくこういうことを言うマネージャがいる。

”もっとできのいい部下を私の下につけてくれれば、きちんと育てて成果だって出しますよ”と。

でも、それは違う。

そんなにできる人であれば、あなたが育てなくたって立派になるし、成果も出すでしょう?

マネージャというのは、普通のメンバを育て、モチベーションを刺激し、大きな成果を生み出すように指導していくのが仕事なんだ」

普通の人をできのいい人に育てていく。

10の成果を出せる人を100の成果が出せる人に導いていく。

それが、マネージャの役割の一つでしょ?とおっしゃるのだ。


今やマネージャの99%が「プレイヤー兼任」だそうだ。

だから、自分のことに精一杯で、部下の育成まで気が回らない、時間も割けないという話も聴く。

けれど、一人でできることには限界があるし、メンバを育てチーム全体でできることの総量を上げることが元来、マネージャがすべきことだろう。

「自分がやったほうが早い」
「私が担当したほうが上手にできる」

という気持ちももちろん湧くだろうけれど、それでも、そこをこらえて、部下たちに任せていく。部下ができるように支援する。

イマドキのマネージャは、ホントに大変だけれど、育てることの楽しさ、面白さも体感できるといいなあと思う。

(参考) 産能大 「上場企業の課長に関する実態調査」第二回 (2013年6月)

http://www.sanno.ac.jp/research/pdf/kachou2013.pdf

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