オルタナティブ・ブログ > 田中淳子の”大人の学び”支援隊! >

人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

「俺たちだって、”新人類”って呼ばれてたよなぁ」という感慨。

»

企業のOJT(制度)支援を始めて今年で丸10年になります。2003年3月からスタートしてから、OJT制度を始める企業は増えるけれど、やめる企業は数少ない。(やめる、というのは、「制度」としてのOJTを、です)

この10年、私がかなりマジメに取り組んだのは、「ゆとり世代だから育たない」という考え方はやめましょう!という運動(笑)です。

今の若手が「ゆとり世代」だから育たないのではなくて、90年代以降、働く私たちを取り巻く環境が大きく変化したことにより、「育ちにくく」なった、この点をずーっとずーっと言い続けました。このブログでも再三そのことは触れており、たとえば、「門前の小僧が育たない。お経が全然聞こえてこないから」という表現もしたりしてます。


先日、ある企業で、30代から40代くらいの方を対象にした「新卒者の育成を考えるセミナー」を開催したとき、ある40代の方が、ぼそっとこうおっしゃいました。

「俺たちの頃ってさー、そういえば、”新人類”って言われてたよなぁー」

「そう、そう、そうなんですよ! いつの時代も若者は、年長者からあだ名つけられ、”使えない”とか”信じられない”とか”ダメだ”とか言われてきたんです。私たちも。もっと前なら、”三無主義”、おそらく、還暦近い世代が20代のころ、”三無主義”って言われてたのでは、と思います。」

「そうですよねー」

「年長者というか、オトナというか、年上の人間が、若者をくさすのは、もう趣味みたいなものだから、それは、いつの時代も変わらなくて、だから、”ゆとり世代”という言葉に翻弄されて、思考停止になるのではなく、環境変化に応じた育て方、言い方を変えれば、”成長支援”を考えなければならないんですよねー」

なんて会話を交わしました。

きっと、、今の”ゆとり世代”も、数年して、中高年になると、”イマドキの新人は、なんだかなぁー”と言うに決まっており、それは、何度もいいますが、年長者の趣味なので、放っておいて、その時代、その時代で、若手がどう成長していくかを周囲が考え、上手に支援することを考えるほうがよっぽど生産的です。

そして、この10年、教え、育てる方の「教え方、指導の仕方、コーチングの仕方」などに力を注いできましたけれども、今後はこれに加え、本来の学び手である若手自身に再度フォーカスして、「学ぶ力」「成長しようとする意欲」「ストレッチな挑戦をし、振り返り、能力を向上させるマインドとスキル」(スキルがあるのなら)にも注力していこうと思うようになりました。

これは、また、今後の課題です。

==============

この本の中でも、働く環境の変化については何度か触れていますです。絶賛好評平積み中!(笑

Comment(2)