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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

大掃除を終えたらこんな本でもいかがでしょう?『新幹線 お掃除の天使たち』

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毎年、年末の最後のゴミ回収が終わってからですね、大量のごみが各家庭から出てくるのは。我がマンションもご他聞にもれず、ゴミ集積の部屋(?)は、かなり満杯な様相を呈しています。いつも思うのですが、ダンボールをつぶさないで出すのって、あれはなんでしょう?箱のまま置いておくと、夜中に小人さんがたたんでくれると思っているのかな?・・・とか、「あきらかに粗大ゴミでしょう」と思う物件をしらーっとゴミ部屋に置いておくのもよくわかりません。管理費から処理代出されているのかも知れませんし。 30数戸という小さなマンションでもこんな感じなので、何百世帯もあるマンションだと、注意書きの貼紙だらけになるのもうなずけます。一人ひとりが自分にできるちょっとした「ちゃんとしたこと」(たたむとか小さくするとかルール守るとか)を実践するだけでも、ずいぶん住み心地が変わるのになあ、と思ったりもします。

ま、それはそれとして、今年も残りわずかとなりました。

掃除するって気持ちいいものですが、それは、自分が使った場所だからではないかと思います。自分がこれからも使う場所でもあるわけですし。自宅でもオフィスでもそうですね。

この本は、自分も利用者にはなるでしょうが、どちらかというと他者のために心をこめて清掃する方たちの現場を取材して書かれているものです。

JR東日本のグループ企業で鉄道整備株式会社、通称、テッセイという会社があります。新幹線のコンコース、車両などの掃除を一手に引き受けている会社です。社員はパートも含め、清掃に当たる方たちが大半。本当に目立たない、縁の下の力持ちです。

この会社は、「掃除は仕事」を考え、まじめには取り組むけれど、活気はないという状態だったそうです。数年前までは。それが現場の力とある意味TopDown(といっても社長からではない)の両方の努力により、世界的にも注目される現場力のある会社に生まれ変わった(変わりつつある)のだそう。

JR東日本の新幹線というのはあまり乗る機会がないので、清掃の方たちの様子を見ることもほとんどないのですが、礼儀正しく、チャーミングで、すばらしいようですね。

一列に整列し、一礼。とか、季節ごとにユニフォームにちょっと工夫をしたり(帽子に桜を挿したり)、子供にポストカードをプレゼントしたり、ホームで迷っている方を案内したり・・・こうなってくると、清掃の域を超えていますが、「トータルサービス」を目指して、現場からの声で改善を行い続けているのだそうです。

この本の中に、現場からのレポートが多数掲載されています。いい話に満ち溢れていますが、中でもトイレの清掃がどれほど大変かは想像していた以上でした。「どうしてトイレがこんなことになるんだ」と思うほどの状態になっていることもよくあるそうです。

また、震災の際は、戻ってきた車両の清掃もですが、トイレがもうとんでもないことになっていて、どうやってつまりを改善したらいいかもわからなかったけれど、あきらめずに掃除したと書いてあります。ぴかぴかにまで戻した、と。手を突っ込んで洗うのですよ。

掃除が好きだから、という理由でこの会社に応募した方も何人も登場しますが、掃除好きなだけで勤まることではありませんよね。

なんだか読み進めながら頭下がる思いがしました。

使う側は、「きれいで当たり前」とつい思ってしまうけれど、その「当たり前のきれいさ」をキープするために見えないところで一生懸命働いてくださっている方がいるという、そのことを忘れてはいけないんだなあぁ・・・。

清掃担当の方たちの成長物語と見ても面白い本ですが、一方で、その活気ない企業がどうやって現場の力を巻き込みながら、だんだんと生き生きとした企業に生まれ変わったか、というその軌跡を追うのも興味深いものがあります。

誰もが、「自社を活気ある、現場力のある会社にしたい」と思っているに違いないのに、あれこれうまくいかないことがあります。ここには1000日以上をかけた地道な戦いが記録されています。千里の道も一歩から。

大切なことは、あきらめないこと。想いのある人(同志)を増やしていくこと。軸をぶらさないこと。現場の声を聞き、経営も現場も一体となって改革を進めていくことなんだなあ、と思いました。

読んでいて思い出したのは、小倉昌男さんの宅急便を推進していく過程のお話です。ここでも小倉さんがあきらめずに現場を説得し、現場が徐々に賛同し始めていくのですが、その過程で、お客さんからの褒め言葉、感謝の言葉が非常に効果を発揮するんですねー。

テッセイの方たちも現場でお客さんから褒められたり感謝されたりすることを心の支えにして、プライドを持って仕事している様子が生き生きと描かれています。

現場からの職場活性化。企業再生。いい話でした。

さて、私のブログは、今年はここまで。1年間ご愛読いただき、ありがとうございました。ノロは全治4.5日で回復し、すっかり元気です。 子供のころから2013年というのは、ひとつの大きな年だと思っていました。というのは、50歳になるからです。まもなく誕生日。 よい2013年にしていくのは自分の努力と姿勢だと思っています。

来年もブログやあっぱれ上司!その他もろもろ、どうぞよろしくお願いいたします。皆様もどうかよいお年をお迎えくださいませ♪

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