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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

「社内調整のほうがうんと大変かも」・・・。

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久々に公開講座の講師を担当しています。当社西新宿オフィスにて。普段は、一社向け研修などお客様先での実施が9割以上なので、多くの企業の方がお集まりになるクラスというのは新鮮です。

研修というのは、大きく分けて「一社向けの自社仕様に合わせた内容」というのと「公開講座の定番内容」の2つがあります。(一社向けの定番、もありますが、参加者が特定の企業の方なので、講師としては、必然的に相手に合わせ、アレンジしながら進めることになります)

公開講座には公開講座の良さがあって、採用される方は、「他流試合ができること」を一番に挙げられます。つまり、自社向けの研修に参加したのでは気づかない多くの刺激、気づきを受けるというわけです。

「おお、同年代なのに、全くレベルの違う仕事をしている。すごいなあ」とか
「企業によって、風土も文化も違うのね」とか。

一方で、「あぁ、いずこも同じ悩みを・・」「自分の会社のことかと思った・・」といった感想を持つケースもまたあります。

昨日から「交渉」をテーマにした研修を担当していますが、冒頭で「仕事における交渉の成功例、苦労例」を伺ってみると、ある方が

「社内調整が大変。いや、社内調整のほうが大変かも」

と発言されました。

これを聞いていた他の参加者が、首が折れんばかりに「うんうん」とうなずき、

「心当たりあります?」と尋ねてみれば、
「あるある」
「うちも」
「もう大変」
「社内に敵がいるかとさえ思うことも」
と続々反応がありました。

そう、社外の相手と何かしようとしたときについて回る「社内調整」。

ここが最初のハードルだというのですね。

人それぞれ考え、思惑、想い、価値観、やる気、全部違いますので、自分がしたい、しようと思っていることを内部で反対する人も疑問を呈する人もいる。

すんなりいくと思っていたら、まあ、大変! ということは誰もが経験しているわけです。

ああ、めんどくさーーーーーーーーー、と思うかも知れませんが(いや思いますが)、でも、そういう「めんどくさい」ステップがあるからこそ、自分のしたいこと、推し進めたことの意味を自分でも再確認できるのかも知れません。

誰も反対しないほうが怖いのかも。

「めんどくさい」ことを乗り越えて、きっと鍛えられて、自分も考えの幅が広がったり、調整力が身についたり、いいこと、きっといっぱいあるはず。それに、「本気でそれをしたいのか」と自問自答することにもなりますし。


何かを成し遂げた人、やったことないことを始めた人は多かれ少なかれこういう大小の山を越えているんだと思うのです。

かの「クロネコヤマトの宅急便」を開始し、これだけ世に普及させたヤマト運輸の元社長・小倉昌男氏だって、最初は社内の大反対にあいながらも「想い」を完遂させたのです。こんなに便利なものなのに、それでも反対の嵐。もちろん、国とも戦ってはいらっしゃったのですけれど。

社内調整からすべてが始まるんですよ、きっと。


さあ、私も頑張ろう。明日から8月♪

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