「反面教師」を自称しちゃいけないと思う
5月から8月くらいまでは、ほぼ「OJT」関係の研修に従事しています。東奔西走。
さて、「新入社員の指導に当たるのは生まれて初めて」という方も大勢いらっしゃいます。そこで、「これはNGだね」という話も出るのですが、その一つに「オレって反面教師だから」「私を反面教師にしてくれれば大丈夫だよ」というセリフがあります。
「新入社員の指導、成長支援にあたる立場の先輩。 とはいえ、自分もまだまだ未熟だと自覚している。だから、偉そうに言うのもなんだし、かといって、きちんと正しい姿を教えていかねばならない。 ん? でも、これから後輩に言おうとしていることを果たして私はできているだろうか? いや、まだ、自分だってできていないかも。 できていないかも、ではなくて、できていないような気がする。 かなりできていない。 でも、指導はすべき。えーーーーーーーーーーい、どうしよう?」
そうやって悶々としている内に、つい、「オレって反面教師だから」「私を反面教師にしてくれれば大丈夫だよ」と言ってしまうのだと思います。
自嘲気味に。
だから、気持ちはわかる。うんとわかる。とてもわかる。
でも、新入社員の立場で考えてみると、やはり、言ってはいけないセリフの一つではないかと思うのです。
自分が最初に指導を仰ぐOJT担当の先輩が、色々指導してくださる中で、最後に「ま、要するに私を反面教師と思っていれば、間違いないから」などと言われたら、戸惑うに違いありません。
「えー、そんなこと言わないで!」と。
1年でも上の先輩は、神様みたいに見えるものです。新入社員にとって2年目の先輩は、すごーい人に見える。だからリスペクトしているし、リスペクトしたいのです。
そういう先輩が「反面教師」を自称してはいけないと思うのです。
とはいえ、「私を手本にしてね」と言うほどの自信もないかも知れません。だったらそこは、ひとつ、「手本としてもらえるよう、私も努力中」と言ってみてはどうでしょう。
私も頑張っている、あなたも一緒に頑張りましょう。共に頑張って成長していきましょう。そういうスタンスがいいなぁ。
・・・
実は、私が若かりし頃、体験したことからこう思うようになりました。
ずっと厳しくあれこれ指導してくださっていた7-8歳年上の先輩が、ある時、「ま、あれこれ言ったけど、結局、一言で言えば、ボクのマネしなけりゃいいってことだから。”ボクのマネをしないでね”と言えば、何でも教えられるよね」と言ったのですよねぇ。 かなり、ショックでした。そんな気持ちでいたのかと(汗。
以来、心していること。
「反面教師を自称しない」・・・・・なのです。