「減点ファミリー」と大島武さんのこと。そして『プレゼンテーション・マインド 「相手の聞きたいこと」を話せ』
この話は、以前別の所でも紹介したので、ご存じの方が10人くらいはいらっしゃるかも知れませんが、あしからず。
1970年代、NHKで「減点パパ」という番組がありました。三波伸介さんが司会で、有名人の子供をスタジオに招いて、その子供たちの「パパ」の特徴を聞き出しては、三波さんが似顔絵を書いていくもの。
そのパパもその後登場し、子供についてにクイズに答えたり、子供から作文をプレゼントされて涙ぐんだり、という、ほのぼの番組でした。
その「減点パパ」があるときから「減点ファミリー」となり、「パパ」以外のゲストも登場するように。たしか、「減点ファミリー」と看板が変わった初回のゲストが「小山明子さん」だったと思います。
私は、茶の間で家族とともに、その「減点ファミリー」を観ていました。小学校5年生くらいの時のことです。登場した子供は、男の子2人。小学校4-5年生くらいともうちょっと小さな子。
似顔絵が終わり、お母様が登場。小山明子さんが子供に関するクイズに答えられたり、答えられなかったり。最後は、大きな男の子のほうが、作文を読みます。
その作文に書いてあったのは、
「お母さんはテレビなどに出るときはお化粧をしていて、まるで、”整形手術”をしたみたいです」
というものでした。
自宅と外とで全然違う母上の様子を”整形手術”をしたみたいです、と読み上げて、会場は爆笑。お茶の間の田中家も爆笑。
以来20数年、田中家では、「整形手術のように」という作文が何度も話題になりました。
そして12年ほど前のこと、ある学会イベントで大島武さんと方と出会いました。聞けば、大島渚さんのご長男とのこと。
あ、あの減点ファミリーの男の子だ!と思い、初対面から10分も経過しないうちに、「あのぉ、つかぬことをお尋ねしますが、”減点ファミリー”で”整形手術の作文を読んだ男の子”ではありませんか?」と尋ねたのです。(つまり、1973年ごろのことを質問したわけですね)。
大島さんは、
「そうです、そうです。あの作文を読んだのはボクです。いやあ、30年近く前の”減点ファミリー”のことを人から質問されたの、初めてだなあ。」といたく感激してくれました。
以来、12年、私たちはオトモダチなのですが、その大島武さん(東京工芸大学教授)のちょっとしたお祝いごとがあったので、上記学会で知り合った4人の飲み仲間で、昨日(6/18)は、ちょっとしたお祝いの会をしました。
何の祝いかはまあ置いといて、皆それぞれに「人材育成」に関係する仕事についているので、採用とか育成とか成長とか、あとは、なぜか、「男女の違い」「夫婦の違い」という話題まで幅広く盛り上がりました。
大島さんは、とても優しい話し方をする、とてもとてもまじめな男性です。年々お父上に似てきます。母上にもですが。
私は、「減点ファミリー」を茶の間から見ていました。5年生くらいの時。埼玉の田舎町で。それから30年近くずーっと我が家ではネタだった「整形手術」作文。そしてとうとう、その時に画面に出ていて、田中家を引き付けてやまなかった男の子と仕事で出会い、飲み友達になるとは、人生って面白いものです。
大島さんと出会って以来、私は、一つ確信していることがあります。
「逢ってみたい、逢ってみたい」と強く願っている人とは、きっといつか逢える。
念じるのって大事ですね。
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その大島さんが数年前に書かれた本が増刷になったそうです。これまためでたい。
とても読みやすい本です。共感する箇所もたくさんあります。
「人にプレゼンテーションする、ということは、”プレゼント”することに他ならない。相手が欲しいこと(内容)をプレゼントしてますか?」と優しく説いています。
私の同僚も「この本はとても読みやすくて、心温まるメッセージが満載なので、大好きです」といい、持っていたりもします。
ご紹介します。