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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

幼児との会話で大人の表現力は磨かれる(かも)

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甥っ子(2歳7か月)がだんだん日本語を話すようになりまして(って、以前、英語を話していたわけではなく、日本語もどきだったのが、文章の構造がはっきりしてきたという話です。いや、当たり前)、それに従い、大人の会話もよくキャッチするようになりました。特に、「単語」に反応します。

キャッチする単語は、
●自分が知っている
かつ
●自分に興味がある
という条件を満たすものであることが多く、

たとえば、
「子供用ビスケットを買ってきたんだけど、これはおやつ用に、戸棚にしまっておこうか」とか「携帯メール送ったので、その内、返事来ると思う」とかそんな話を大人同士でしていると、

「びっけっと? ○○ちゃん、びっけっと、食べるぅ」
「○○ちゃん、おばちゃんのけいたい見るぅ」

とすぐ反応します。

「いや、君に話しているわけじゃないんだよ。オトナ同士のかーいーわ!」と言っても、いったんキャッチした単語は容易に忘れず、

「びっけっと」「びっけっと」の連呼、あるいは「けいたい、けいたい見るぅ」の嵐。

んもぉぉぉぉ、うる○いっ!

ああ、このシーン、どこかで見たことある、と思ったら、田中家愛読書『赤ちゃんのドレイ。』に出てきたではあーりませんか。

「バナナ」なんて会話しようものなら、幼児が「ん?今、バナナって言った?それはあたちが食べるもの?バナナ出せー」と大騒動になる。だから、大人同士で「バナナ」と言わないために「ええと、黄色くて、長い果物は買っておいたから」などと名詞を避け、形容しながら会話する、という話が面白おかしく描かれていた、確か。(正確な再現ではありませんが)

もとい。

「ビスケット」も「携帯」も「メール」もひとたび口にすると、面倒なことになる。

よし、「赤ドレ」方式だ!

というわけで、こんな風に会話することになります。私と妹(甥っ子の母)、私と母(甥っ子の祖母)とで。

「子供用の、小麦粉とお砂糖を混ぜて焼いた小さな硬いものを買ってきたので、棚に置いておくね」

通信できる機器を使って、電子的な手紙を送ったので、その内、返事がくると思うけど」

・・・・・。

連想ゲームのキャプテンか! 加藤芳郎か! (そして、またしても、昭和か!

でも、「ビスケット」も「携帯」も「メール」も言わなければ、2歳7か月は反応しないんですな。アンテナがキャッチしない。

この会話、とても疲れる。頭を使う。「英語禁止ホール」なのに、つい「ナイス!」と言ってしまい、罰ゲームみたいに、思わぬところに「甥っ子のキャッチしてしまう単語」が入ってしまう。

たとえば。

「小麦粉とお砂糖を混ぜて焼いた小さな硬いものを買ってきたので、棚に置いておくね。あ、それから、プリンも」

あちゃー。言うてしまった、言うてしまった。

向こうを向いて一人遊びをしていた2歳7か月男児。

「むむ」っと振り返り、「ぷりん、たべるぅ」・・・。orz。

ほらね、最後まで気を抜いてはいけません。「卵と牛のお乳でつくったやわらかい物体」といわねば。(牛乳もワードです。たぶん。)

幼児との会話で、大人の表現力は磨かれるのであります。
ボケ防止にも、よいかも知れません。

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田中家愛読書『あかちゃんのドレイ。』全6巻。みんなで、もう破けるほど読み直しました。何度も何度も。登場するのは女児ですが、男児でもまったく同じことをする。ここに描かれていることがほぼ実際に追体験できました(笑)

<どうもAmazonのリンクがうまくできないようなので、書籍名の紹介に置き換えます> 大久保ヒロミさん著 『あかちゃんのドレイ。』(1~6巻) 講談社
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